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G20が欧州の財政統合強化に支持表明へ

G20が欧州の財政統合強化に支持表明へ、IMFへの拠出増額

[ロスカボス(メキシコ) 18日 ロイター] メキシコのロスカボスで18日開幕した20カ国・地域(G20)首脳会議は、閉幕時に採択する声明で欧州の銀行システムや財政の統合強化に向けた措置に支持を表明する。


ロイターが入手した声明草案で明らかになった。


声明草案は、世界経済の成長促進に「必要な措置を講じる」とも指摘。実質成長が弱まれば財政に余裕がある国々が景気刺激策をとる用意があるとしている。


声明では、欧州連合(EU)の銀行システムや財政の統合強化に向けた詳細な措置が打ち出される見込み。G20は、欧州の常設の危機対応基金の構築、域内財政の統合や銀行システム監督体制の協調に向けた計画を歓迎する。


声明草案は、「銀行の監督、破綻処理、資本増強、預金保険を含む、より統合された金融構造に向けた具体的な措置を検討する意向を支持する」と表明。EUのG20メンバーは成長支援措置に迅速に取り組む方針であると同時に、財政健全化措置への強固なコミットメントも維持していると指摘。


「われわれは、ユーロ圏が経済・通貨同盟の完成を目指す行動を全面的に支持する」としている。


声明草案は「経済状況が一段と急速に悪化すれば、財政に十分な余裕のある国々が国内需要を喚起するため、自国の裁量で適切な財政措置を講じる用意がある」とも指摘。


また、草案には、米国も減税失効や歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」を回避する、との内容も盛り込まれている。


<IMF資金増強>


国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、IMFへの資金拠出が4560億ドルに達したことを明らかにした。


ラガルド専務理事は「大小さまざまな国がIMFの呼びかけに応え、拠出金はさらに増える可能性がある」と述べた。


IMFは4月、IMF融資枠の拡大で各国が4300億ドルを出すことで合意した。


ラガルド専務理事は「これらの資金は危機回避や危機対策、および、今後のIMF加盟国の借り入れニーズに対応するために拠出された」との声明を発表した。


G20首脳会議の関係者は、中国がIMFの財源強化で430億ドルを拠出するとの見通しを示した。


これに先立ち、ロシア政府はIMFの財源強化で100億ドルを拠出する方針を示している。


BRICS諸国(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)の首脳らはメキシコのG20首脳会議前の会合で「IMFへの拠出拡大で合意した」と表明している。


BRICS首脳は「2010年に合意された改革の全てが迅速に行われるとの期待から追加拠出を行う。こうした改革には、投票権の包括的な改革やクォータ(出資割当額)などがある」との共同声明を発表した。


IMFの資料によると、ブラジル、ロシア、および、インドはそれぞれ100億ドルの拠出を表明。南アフリカは20億ドル、メキシコは100億ドル、それぞれ拠出する方針。


BRICS諸国の人口は世界全体の43%。経済規模は約18%に達している。5カ国の外貨準備の総額は約4兆ドルで、そのほとんどは中国が保有している。


BRICS諸国はさらに、ドルやユーロ以外の通貨の流通拡大を目指している。BRICS諸国は声明で、通貨スワップ協定や外貨準備のプールについて協議したことを明らかにした。


声明によると、BRICSの財務相および中央銀行総裁は、スワップや資金プール、関連する法律問題について調査を行うよう求められ、来年南アフリカで開催予定の首脳会議で結果を報告することになる。


ブラジルのマンテガ財務相は記者団に対して、資金プール案は、問題発生時に対応する資金を確保しているという信頼を高めると指摘。資金プールにそれぞれどの程度出資するかは各国の外貨準備の規模で決まる、と語った。


G20声明草案は、IMFの議決権改革が「IMFの正当性、妥当性、有効性を強化するためには不可欠」と指摘。10月までの完全実施にコミットするとしている。


IMFの議決権をめぐっては、世界経済における新興国の影響力をより反映した体制にすべきと、ブラジル、中国、ロシア、インド、南アフリカの「BRICS」が強く要求している。


<為替>


為替については、中国の為替制度改革の継続や為替レートの決定方法の透明性を高める方針であることを歓迎する見通し。


首脳会議の声明草案は「市場原理に基づく人民元の変動や為替政策の透明性を高める改革継続へのコミットメントを歓迎する」と指摘。


「為替レートの不均衡の常態化や通貨切り下げ競争の回避、市場原理に基づく為替制度とファンダメンタルズを反映した為替の柔軟性に向けて、一段と迅速に行動する」としている。


<原油>


原油価格については、原油価格の動向を警戒しており、必要に応じて追加措置をとるとの意向を表明する。


草案では、この追加措置には産油国が適切な供給量の確保を約束することなどが含まれると説明。また、サウジアラビアが必要に応じて増産する用意があると表明していることを歓迎する、としている。


北海ブレント原油相場は18日、1年4カ月ぶりの安値まで下落。ユーロ圏債務危機や景気低迷、サウジアラビアの増産が背景となり、現在の市況は3月上旬と比べて25%安水準となっている。


こうした価格下落により原油高懸念は幾分緩和したものの、G20は声明草案で、引き続き原油やコモディティ価格を警戒する方針を示している。

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