薄型TVはサムスン1強、日本企業苦境に 失われた技術優位性

AAI Fundさん
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■サムスン1強 日本企業苦境

 米国の市場調査会社ディスプレイサーチによると、2011年の世界テレビ出荷台数は前年比0.3%減の2億4770万台で、同社が統計を取り始めた04年以降で初めて前年を下回った。これはブラウン管テレビの出荷台数が前年比34%と大幅に減少し、プラズマテレビも前年比7%減と落ち込み、液晶(LCD)テレビの同7%増ではカバーできなかったためだ。

メーカー別では、韓国・サムスン電子が液晶テレビとプラズマテレビを合わせた薄型テレビの世界シェア26.3%(11年第4四半期、売上高ベース)で、06年以降6年連続で世界一と圧倒的な強さをみせた。

2000年代前半まで、テレビは日本の「お家芸」で世界市場を席巻したが、00年代後半に韓国に追い抜かれた。職人芸が生きるアナログ時代から、汎用(はんよう)部品を組み立てれば各メーカーとも同じ品質で完成品を製造できるデジタル時代への移行が背景にある

日本企業の技術優位性も失われた。サムスン電子とLG電子は年内に55インチの大型有機ELテレビの発売を発表しているが、日本勢の発売は早くても来年とみられている。ソニーは、有機ELパネル生産でパナソニックとの提携交渉が伝えられ、シャープはEMS世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本・業務提携した。
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