統合通貨ユーロで、経済強国ドイツは通貨安の旨味を得る。
不況を緩和でき、好況期にはバブリーに盛り上がり、貸し付けを増やしまくれる。
一方、経済弱者PIIGSは低金利の旨味を得る。
好況時にも比較的低金利で借りまくることができる。
しかし、不況時には自国経済に不相応の通貨高と相まって不良債権が膨らむ。
解決策は一に、PIIGS中心の金融緩和、つまりドイツにとってはインフレ亢進受け入れ(現状はドイツ中心の低レベルの金融緩和のうえ、PIIGSに緊縮財政強要)。
二にPIIGS債務への財政支援、つまりはドイツにとってはデフォルト受け入れと同義(単なる借り換えは、PIIGSへの金融緩和が不十分ならば意味無し)。
ドイツがこれらを受け入れない場合、無秩序なデフォルトの方向に進む。
これはドイツ経済に大きなダメージを与えるが、欧州が中南米・アジアに貸しまくった資金の一斉引き上げを起こし、アジア諸国、中南米諸国にダメージを与え、中南米経由で米銀にダメージを与える。
また、欧州金融機関のCDS決済で米銀にダメージを与える。
現状、流動性対策を手厚くしているので、急激なショックにはなりにくいが、デフォルトがなし崩し的にゆっくり進み、欧州金融機関のデレバレッジ(資金引き上げ)がゆっくり進む、、、こういう流れになってます。
これは、金融緩和不十分ゆえ、デフレ圧力が欧州を中心に世界中にゆっくり広がってゆく流れです。
つまりは、不安定な景気低迷状態の長期持続です。
さて、PIIGSへの資金注入(借り換え)もドイツが支援疲れとか言っているので、そのうち、IMFからがんがんに資金注入されるかも知れません、、、つまりは、不良債権の欧州(独仏)から日米中への付け替えです。
ECBが金融緩和不十分で放置しているのは、これが案外狙いだったりして、、、。
ウマ鹿なのか、確信犯なのか?(たぶん、ドイツ首相はウマ鹿で、ECB総裁は確信犯???)
どこでこのウマ鹿状態、もしくはチキンレース(解決策2を巡るチキンレース)が終わるのか?、 それによりどの程度、傷口(不良債権)が膨らむのか?、 どこで金融緩和拡大のまともな方策(解決策1)に向かうのか(向かわないままなのか)?、、、これがマクロ分析上の焦点。