逮捕後、移送されるオウム真理教元信者の高橋克也容疑者＝１５日午前１１時１６分、東京都大田区の蒲田警察署で（河口貞史撮影）
１９９５年の地下鉄サリン事件で特別手配され、逃亡していた元オウム真理教信者高橋克也容疑者（５４）が１５日、東京都大田区内で発見され、警視庁に殺人容疑などで逮捕された。高橋克也容疑者は「（オウム教団）幹部の指示でやりました。目的については、一部知らなかった」と容疑を認めている。事件から１７年が経過し、教団の３人の特別手配容疑者全員が逮捕された。
捜査１課によると、１５日午前８時半ごろ「大田区西蒲田の漫画喫茶に高橋克也容疑者に似た男がいる」と警視庁に通報があり、午前９時１５分ごろ、店を出てきた男を捜査員が発見。「高橋容疑者か」と尋ねると認めた。
蒲田署に任意同行し、指紋などで身元を確認。高橋克也容疑者は捜査員に逮捕容疑を読み上げられる際、微動だにせず、目を見開いていた。捜査員に「逮捕する」と言われると無言でうなずいた。
警視庁によると、高橋克也容疑者は、同じく特別手配されていた元教団信者菊地直子容疑者（４０）が３日に殺人などの容疑で逮捕されたことを知り、翌４日午後、潜伏していた川崎市内の勤務先建設会社の寮から姿を消していた。逃亡直前、寮近くの信用金庫から２３８万円を引き出し、量販店で大型のキャリーバッグを購入した。捜査関係者によると、所持品の中にコインロッカーの鍵があった。高橋克也容疑者は「京急鶴見駅のロッカーに、キャリーバッグを入れた。バッグの中には衣類と本などが入っている」と話しており捜索して調べる。（2012年6月15日 13時38分）
