スペイン金融機関への資金注入表明でも、スペイン国債市場の動揺(金利上昇=国債価格低下)が収まらない。
資金注入だけでは、景気低迷=不良債権累増状況は止まらず、それによるデフォルトリスクを一番被るのは、民間金融機関、民間投資家。
資金注入した公的機関はデフォルトを免除されても、民間はそうはいかない。
そういう先例を、EUはギリシャで作ってしまった。
資金注入したからと言って、民間はスペイン国債をおいそれと買うわけにはいかない。
ゆえに、スペイン国債の動揺は収まらない。
より抜本的な方策を市場を求めだしている、とも言えます。
公的資金注入で、民間債務を公的債務に付け替え(=借金棒引きでなく、不況時の高利状況緩和)。
これは、民間金融機関を身軽にして、民間への貸し付けを増やす、資金流通を活発化させる、景気浮揚させる効果を狙ったものです。
しかし、その効果は、デフレ的状況が改善されていることが前提。
デフレ的状況が改善されず、不良債権累増状況が反転傾向にならなければ、民間債務を幾ら公的債務に付け替えようが、民間貸し付けは増えず、景気は浮揚せず、金融危機がソブリン危機に転嫁するだけで、抜本的解決にならない。
この状況を改善するには、資金流通の最上流たる『金融市場』においてインフレ期待を十分高めることがまず必要なのです(インフレ『期待』であり、インフレ『予想』ではない!事後のインフレ率がその通りになるか否かは問題でない。最近の委員会答弁を見る限り、日銀のウマ鹿総裁にはこれが分かってないようですが、、)。
つまり、金融緩和の十分な拡大=通貨『供給量』の増大(通貨『量』ではない!)、、が必要。
通貨供給量の増大=過大な通貨価値の低下=過剰な債務負担の適正化=貸し付け意欲の増大であり、
通貨供給量の増大=過小な労働価値(製品・サービスの価値と労働の累積たる資産価値)の増大=民間経済活動の活発化=貸し付け意欲の増大、、だからです(具体的には、リスクオン→資産価格の上昇→消費、貸し付け意欲の増大という経路を辿る、、、株価上昇初動をバブル再燃と畏れる中銀総裁は馬鹿です)。
また、不況下の緊縮財政は金融緩和の効果を中短期的に削ぐ。
緊縮財政により、却って、景気低迷、不良債権増大となり、財政悪化を招く(財政バラマキ、公共投資拡大も、先進国では、マンデルフレミング則や、本来需要のないところへの過剰供給増大によりデフレ圧力を高める)。 財政中立とすべき。
小出しの金融緩和ではインフレ期待は十分高まらず、資金流通も消費を持続的に喚起するほどには高まらず、最終的な通貨量累増はより莫大になるでしょう。 これは事後のバブリー圧力を高めることになるやも知れません。
ECBがバズーカ1を撃った後、ユーロは大して下がりませんでした。
これはバズーカで蒔いた資金を別経路で吸収したからかも知れない(不胎化)。
これでは、バズーカを幾ら撃とうが、根本的解決にならない。 一時しのぎにしかならない。
金融緩和不十分+財政緊縮、の状況が続くゆえ、株価は何度も落ち込む。 つまり、フーバーver.2、リーマンショックのミニ再来を繰り返すのです。