朝方、78.05円から78.50円辺りまで一気に相場が上昇する場面があった。
「介入?」と一瞬思ったが、数秒後には相場が元の位置に戻り「介入もどき」と言うことが判った。
しばらくはこのような怪しい動きに翻弄されるのかも知れないが、個人的には介入は行われないと思っている。というか、行われてもあまり意味を成さないと思っている。
昨年の10月末の介入で75円台から79円台に押し上げた相場も2月の頭には76円まで押し戻されていた。その後、日銀の緩和策への期待で84円まで上昇し、日経平均も1万円台回復と明るい春を迎えたものの、市中に出回っているお金がそれ程でもなかった事がばれて、結局円高進行再開。欧州危機に合わせてこの有様となった。
日本は金融機関の資金がジャブジャブだと結構長きに渡って言われているが、他国に比べると全然少ないというデータもある。デフレに陥って随分経つ日本と景気が好調な時期が多い他国とで比べるとインフレ率も違うので、同じだけ市中のお金が増えても、日本は滞留して、他国は循環するという違いがあるため、ジャブジャブ感は日本の方が数段上に感じられるのだろう。しかし現実には他国のお金の量の方が日本よりはるかに増えているため、日本の通貨は希少性が増し、高くなるという構造がある。これが円高進行の原因。だから介入なんてものをしても、中期的にはなんも意味のないものになると言うことになる。
それと最近の問題は消費税との絡み。
介入で買ったドル、この行き場は米国債の購入資金となる。つまりは米国の借金の手助けをしていることになる。国内の財政危機を叫ぶ政府が米国に融資をしている。ちなみに10月末の介入は8兆円。消費税3~4%分の金額である。また大規模介入をしようものなら、批判が噴出する可能性がある。根本的解決策ではない介入を何処まで続けるのか?疑問を持つ国民は少なくないであろう。国債ならお金は帰ってくるでしょ、と言う疑問もあると思うが、確かに償還まで待てば帰ってくる。しかし、財政逼迫の時期に買う必要はない。(韓国の国債を買う事がこの間決定されているが・・・) では時期を見て売ればいいかというと、そんな事を言おうモンなら、橋本龍太郎のようなことになったり、米国の国債は買わないと言った中川昭一のようにされてしまう。
といったことから結局は介入は出来ない。ないしはやっても効果はたかが知れている。だからドル円は下落が続くと見る。ちなみに他の通貨については必ずしも円高とは思っていない。ユーロが一段落して、雇用統計の結果にある通り、米国経済の不安が増すようであれば、ユーロや豪ドルは買われる。この動きがドル円の下げと相殺されれば、ユーロ円や豪ドル円は必ずしも下げるとは言えなくなる。
何はともあれ、ドル円は上昇局面があれば積極的に売って行きたいと思う今日この頃。