kabukabumanさんのブログ

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ユーロ危機とその影響

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写真はチェスキークルムロフの町並み(チェコ共和国)

 

先日の欧州訪問でユーロ圏の経済格差を肌で感じて来ましたが

その結果ユーロは崩壊するのではないかと危惧する様になりました。

以前からユーロを脱退する国は無いと言われて来ましたが

その理由はリーマンショック以降の不況を

ECBの援助無しでは乗り切れないという危惧があったからではないでしょうか。

 

しかしこの度のギリシャ選挙や仏大統領選挙の結果は

国民が緊縮財政にノーを突き付けた訳ですから

今後民意を無視した財政政策を続けることは困難になるでしょう。

もし民意に背いて緊縮財政を継続した政治家はその政治生命を奪われることになり兼ねません。

こうなると今後もユーロが安泰であるとは誰も言えないと思います。

 

そこで、ギリシャがユーロを離脱した場合

世界経済にどの様な影響があるか考えておく必要があると思います。

何故なら、最悪のシナリオ(他国が追随して離脱した場合)になれば

恐らくリーマンショックどころではない金融市場の大混乱が起こる可能性があるからです。

 

まず考えられることを列挙してみます。(当たり前のことばかりですが)

①EUの財政危機国 → 金融機関の破綻、資産流出、国債価格暴落、インフレ、労働力の流失(労働難民)

②デフォルト危機に直面していないEUの金融機関も経営悪化or破綻

③EU金融機関の貸し出し抑制で個人消費や企業の設備投資が低下し、本格的なリセッションに突入

④EU諸国に投資していた海外の金融機関の債権が毀損し、信用収縮が起こる

⑤その結果個人消費、設備投資、住宅投資などの悪化は欧州だけに止まらなくなる

⑥投資家がリスク回避に動き株価は暴落、ユーロは下落する

⑦欧州への輸出企業は経営が圧迫される 

⑧世界的な不況へと発展

 

では国家がデフォルトするとどの様なことが起こるでしょうか(これも皆さんご存知のことばかりだと思います)

①預金が凍結され、一日の引き出し限度額が設定される

②生活費が不足するため国民が質屋に殺到する

③生活に困った一部の国民が暴徒化し略奪や破壊を繰り返す

④国中がゴミの山と化し伝染病が蔓延する

⑤医療が滞り伝染病や栄養不良で多数の死者が出る

⑥難民が隣国に押し寄せる

⑦ハイパーインフレに見舞われ物価が急騰(貨幣価値が下落)

 因みに20世紀に起こったハイパーインフレの平均物価上昇率は1年間でおよそ200倍

 1998年のロシア破綻時はルーブルが急落し

 年率7000%という凄まじいハイパーインフレが起こりました。

 

ブルームバーグの記事によれば、このところスペイン、イタリアから

ドイツ、オランダ、ルクセンブルクなどへ、過去に例を見ないほどの資産移動が起こっている様で

スペインでは3月だけで、他国へ6兆8000億円もの資産が流出したそうです。

まさにユーロ離脱、或いはデフォルトの危機に備えた動きが活発化している証拠です。

 

因みにEUの中では国民の平均年収が最低レベル(ルクセンブルクの10分の1、ドイツの6分の1)

であるスロバキアのガイドさんの言葉がひじょうに印象的でした。

「どうしてスロバキアがはるか大国のイタリアやスペインを助けなくてはならないのか理解出来ない」

この時、救済する側の国民は、必ずしもユーロの統一を望んでいないないのではないかと感じました。

 

ところで今日もNYは下げて終わり、欧州市場は年初来安値を更新しています。

ギリシャの政局不安、スペインの長期国債金利6%超えに加えて

スペインの主要銀行が抱える不動産バブル崩壊による不良債権が

19兆円に上るのではないか?との懸念も広がっており

残念ながら当分明るいニュースは無さそうです。

今日の日経平均は8800円の攻防でしょうか。

それにしても真綿で首を絞められる様な嫌な下げ方ですね。

 

そう云えばリーマンが破綻した2008年は6月半ば(NK14600円)から下げ始め

10月末の8570円(当日安値は6995円)まで40%下げました。

しかし今年は3月半ばの高値10130円からまだ12%しか下げていないので

実際にユーロ離脱国が出現すればNK6000円も充分あるのではないでしょうか。

勿論そうならないことを願うのみですが・・・・・

 

 

 

 

 

 

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