【行政書士重要過去問】平成21年-問3 (3)(憲P2)

kenji296606さん
(問題)
次の文章のうち、そこで想定される「実質的意味の憲法」の理解の仕方が、憲法学における伝統的な分類に従えば、他とは異なっているものはどれか。

3.日本の憲法の歴史は、大日本帝国憲法の制定につながる、西洋諸国に対する「開国」を出発点として、叙述されなくてはならない。

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(解答・解説)
3.他と異なっていない。
本肢をもう少し分かりやすくいえば、「日本の憲法の歴史を論ずるならば、大日本帝国憲法が西洋諸国の憲法、特にプロイセン憲法(ドイツ憲法)を模範にして作られているのであるから、西洋諸国に対する「開国」を出発点として、順を追って述べなければならない。」ということである。大日本帝国憲法は、プロイセン憲法を模範にしており、権力分立、臣民の権利・自由など近代的意味の憲法の諸原理がとりいれられていることから、日本における立憲的意味の憲法の歴史は、大日本帝国憲法の制定から始まったと考えられている。また、開国以前にも固有の意味の憲法は存在しているのであるから、その観点からも立憲的意味の憲法について述べていることがわかる。
したがって、本肢は「実質的意味の憲法」における「立憲的意味の憲法」についてを述べており、他と同様である。
なお、大日本帝国憲法やプロイセン憲法は、一応は立憲的意味の憲法であるが、議会の権限や臣民の権利・自由はいちじるしく制限されており、その本質を具備しておらず、外見的・形式的な立憲主義にすぎないという点から、「立憲的意味の憲法」と区分けして「外見的立憲主義の憲法」と呼ばれる事もある。


≪憲法の分類≫

【1】形式的意味の憲法
憲法という名前で呼ばれる成文の法典(憲法典)を意味する。
例えば、イギリスには、成文憲法が無い為、「イギリスには憲法がない。」とした場合の「憲法」の意味は、形式的意味の憲法にあたる。


【2】実質的意味の憲法
国家の根本・基盤に関する内容を持つ法のこと。ここから固有の意味の憲法と立憲的意味の憲法に分類される。

(1)固有の意味の憲法
国の統治の基本規範を意味する。時代や国を問わず国家が存在する以上は、必ず存在する。

(2)立憲的意味の憲法(近代的意味の憲法)
国家権力を制限して国民の自由・権利を保障しようとする立憲主義の思想に基づく憲法を意味する。
固有の意味の憲法と異なり、すべての国家がこれを有するわけでは無い。日本国憲法もこの意味の憲法に属する。
フランスの人権宣言16条の「権利の保障が確保されず、権力分立が定められていない社会は、憲法をもつものではない」という規定は、立憲的意味の憲法(近代的意味の憲法)の典型とされている。



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