MDRさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ64件目 / 全339件次へ »
ブログ

日米の中央銀行会合

日経平均は相変わらず横ばいとなっており、単なる一時的な調整では済まなそうな雰囲気がますます濃厚となってきました。テクニカル的には十分な調整が済んで過熱感の冷めた状態となっているのですが、再度上昇を始める気配がなかなか見えないまま2週間が過ぎようとしています。
3月下旬以降、短期で形成された何本かのトレンドラインはいずれもあっさりとブレイクされ、典型的な往来相場の様相となっています。一方、長期下落トレンドのレジスタンスラインはブレイクされておらず、下値の余地は大きくなっています。
ファンダメンタルズで言えば、北朝鮮の核実験、イランの核問題とホルムズ海峡の閉鎖懸念、それに日曜のフランス大統領選でサルコジ氏が首位を獲得できなかった事(=5月の本選で敗退、メルケル・サルコジの協力体制が崩れる)、といった様々な懸念材料があり、高値圏から下落してきたからと言って、安易に株を買える状況ではありません。
今週のイベントで重要なのは水曜日のFOMCです。政策金利は現行維持の0.25%が予想されていますが、その後に予定されているバーナンキFRB議長の記者会見で、今後の金融政策についてどのような内容が出てくるかに注目が集まっています。市場にはQE3への期待感がくすぶっていますが、経済成長見通しがあまり明るくはないことを見据えた上で、前回のFOMCではQE3の見送りを決定しています。
また、27日には日本銀行も今月2回目となる金融政策決定会合を開催します。前回の会合で全会一致して追加緩和を見送ったことに対して、一部政治家から非難する声が上がっていました。明示したインフレ率を目指すのであれば緩和を続けて当然だ、という無茶のある論点だったのですが、一部市場参加者にはこれを受けて27日の会合で追加緩和が発表されるのではないかという期待が出ているようです。
1月以降の市場は実体経済の好調さがない中での急騰が続き、「低温バブル」と比喩されることもある状態でした。実体経済の好転がない中で市場を支えていたのは追加緩和への期待感に他なりません。「市場は期待で上昇し、現実で下落する」という格言がありますが、日米の中央銀行次第ではまさにこの格言通りの相場動向となる可能性もあるでしょう。
これは市場参加者にとっては困ったことですが、実際の経済のレベルにおいては株と共にコモディティの先物も下がってくるため、一概に悪いと言うべき事ではありません。ただ、株価は下がる可能性もありますので、これに備えたリスクマネジメントを用意しておくことは必要と言えるでしょう。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。