東京都の石原慎太郎知事は19日、出張先の米国から帰国した成田空港で記者団の取材に応じ、沖縄県・尖閣諸島の購入について「国が万全の態勢を敷くならいつでも下がる」と述べ、購入計画には国有化などを促す目的があることを強調した。購入時期については、来年４月になるとの見通しを示した。
野田佳彦首相は尖閣諸島の国有化も選択肢として検討する考えを示している。政府の動向が今後の焦点となりそうだ。
石原知事は「東京が引き金になって国がもっと積極的に乗り出し、所有権を含めて万全の態勢を敷くなら東京はいつでも下がる。そういう姿勢を引き出すために、一時でもいいから所有することで物事がスムーズにいく。それが政治ってものだ」と述べた。
地権者と国が年度ごとに賃貸借契約を結んでおり、来年３月末に期限が切れることから、購入は来年４月になるとした。取得手続きは「専門家をたてて合法的に進めていく」と説明。現地調査のための上陸許可を政府に申請する意向も明言した。
また都民にどのように理解を求めるかに関連して「東京も国のためにあるし、国も東京のためにある。できることがあったら東京も身銭切ってやったらいい。そのために財政再建してきた」と語った。
