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プランの売買根拠

MDRの芝一樹です。前回まで3回にわたって、売買プランの四つの類型について運用のしやすさや運用者のレベルといった視点から解説してきました。しかし最後に、その四つのプランのどれにも当てはまらない売買プランが存在する、ということをお伝えしました。今回はこの売買プランについて解説していきたいと思います。
そもそも、株価の動向は短期、中期、長期で全く異なる原因によって発生します。短期動向は市場参加者の心理状態、中期動向はトレンドの状況、長期動向は経済状況や企業業績といったファンダメンタルズ要素によって変動します。
このため、短期的な売買を行うのであれば、市場参加者の心理状態をテクニカル指標を使って分析し、統計的に優位性のある状況下で売買をしていく、というのが基本戦略になります。実は、これまで解説してきた売買プランの四類型は全て短期型売買プランなのです。そして、ほとんどのトレーダーがこのタイプの売買戦略を使っています。
しかし、前回の最後で紹介したような「順張りで、勝率は低いが利益率が高く、負けトレードの損失率が小さく、取引回数が少ない」という売買プランは、中期の売買戦略です。中期型の売買戦略は短期型の売買戦略とは全く異なった根拠に基づいて売買を行うため、結果としてこのように似ても似つかない傾向が出てくるのです。
中期の価格変動はトレンドの動向によって決まりますので、中期戦略は「トレンドの継続性を取引する」と言うことができるでしょう。このため、短期戦略と同じ視点から売買戦略を練っていたのでは、いつまでたっても中期戦略で結果を出すことはできません。
短期売買で重要なのはどちらかというと仕掛けに関する部分です。これは市場の状態を統計的に分析し、その後有利に株価が動く可能性の高いタイミングで売買を行うためで、基本的には仕掛けのタイミング如何で成績が決まるといって良いからです。
しかし、中期売買では手仕舞い戦略の方が重要です。中期型の売買戦略ではトレンドの継続性の判断が重要です。確かにエントリーのタイミングでトレンドの方向が間違いなく判定できればそれに越したことはありません。しかし、トレンドは後から振り返ったときに初めてトレンドだったのだ、と認識できるケースが多く、はじめからどちら方向のトレンドかを認識することは難しいと言えるでしょう。
このため仕掛けた後にトレンド状況を判断して手仕舞う、という仕掛けが必要になります。もしトレンドが自分のポジションにとって有利であればポジションを保持し、そうでなければ手仕舞うという動きになるため、取引結果としては勝率が低くなります。また、自分にとって不利なときには素早く手仕舞いして損失を限定する必要があるため、負けトレードの平均損失は小さくなり、逆に勝ちトレードはトレンドに乗って利を伸ばしていきますので、利益率が大きくなるのです。
このタイプの売買プランは日本国内ではあまり運用されていません。しかし、アメリカでは多くの投資家が採用しており、東証から発表される外国人投資家の売買動向が長期にわたって買いや売りに偏る原因の一つと考えられます。
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