【行政書士重要過去問】平成22年-問30 ウ(民P124)

kenji296606さん
(問題)
A銀行はBに3000万円を融資し、その貸金債権を担保するために、B所有の山林(樹木の生育する山の土地。本件樹木については立木法による登記等の対抗要件を具備していない)に抵当権の設定を受け、その旨の登記を備えたところ、Bは通常の利用の範囲を超えて山林の伐採を行った。この場合に、以下のア~オの記述のうち、次の【考え方】に適合するものをすべて挙げた場合に、妥当なものの組合せはどれか。なお、対抗要件や即時取得については判例の見解に立つことを前提とする。

【考え方】:分離物が第三者に売却されても、抵当不動産と場所的一体性を保っている限り、抵当権の公示の衣に包まれているので、抵当権を第三者に対抗できるが、搬出されてしまうと、抵当権の効力自体は分離物に及ぶが、第三者に対する対抗力は喪失する。

ウ、Bと取引関係にない第三者によって伐採木材が抵当山林から不当に別の場所に搬出された場合に、A銀行は第三者に対して元の場所へ戻すように請求できる。

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(解答・解説)
抵当不動産から分離した付加一体物(動産)に対して抵当権の効力が及ぶか、及ぶとした場合の「抵当権者」と「分離物の第三取得者」の優劣についての考え方としては、本問の【考え方】である「分離物が第三者に売却されても、抵当不動産と場所的一体性を保っている限り、抵当権の公示の衣に包まれているので、抵当権を第三者に対抗できるが、搬出されてしまうと、抵当権の効力自体は分離物に及ぶが、第三者に対する対抗力は喪失する。」とするのが、多数説であり公示説と呼ばれる。

本問の【考え方】をまとめると
≪木材が売却されても、抵当不動産と場所的一体性を保っている限り、抵当権の公示の衣に包まれている≫
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【1】木材搬出前→抵当権の効力は及び、抵当権を第三者に対抗できる。

【2】木材搬出後→抵当権の効力は及ぶが、第三者に対する対抗力は喪失する。
となる。これを踏まえて、以下検討していく。


ウ.適合する。
本肢は「別の場所に搬出」されているため、【2】のケースであるが、本肢の第三者は、取引関係がないのにもかかわらず不当に別の場所に搬出しているため、当該木材について無権利者であり、民法第177条にいう「第三者」にはあたらない(最判昭和25年12月19日)。
そうすると、本問の「考え方」に沿えば(【2】でも抵当権の効力は及ぶ)、物権的請求権として、元の場所へ戻すように請求できる。
したがって、本肢は、「本問の考え方」と適合する。


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