ビール出荷、5年ぶり増
1―3月、アサヒが首位
ビール大手5社が11日発表した発泡酒と「第三のビール」を含むビール類の1~3月の出荷量は、前年同期比0・8%増の8622万ケース(1ケースは大瓶20本換算)となった。小幅ながら1~3月として5年ぶりに前年を上回った。
昨年3月に東日本大震災で工場や設備が損壊したほか、計画停電で操業が停止するなどで大幅に出荷が落ち込んだ分を、やや取り戻した。新たな商品の投入や商品のリニューアルが目立ったことも底上げにつながった。
全体の出荷量は震災前年の2010年1~3月と比べてもプラスで、関係者からは「回復傾向が出てきた」(ビール会社)との声も聞かれた。
1~3月の市場占有率(シェア)は、アサヒビールが36・7%で首位。2位はキリンビールで36・0%。サントリー酒類(15・1%)、サッポロビール(11・4%)と続いた。11年の年間順位と変動はないが、3月にリニューアルした「ザ・プレミアム・モルツ」が好調だったサントリーは、四半期シェアとしては過去最高となった。
ジャンル別の出荷量は、飲食店の比率が高いビールが2・5%増で、6年ぶりのプラスだった。価格が安く、家庭で飲まれることが多い第三のビールは2・9%増。第三のビールの構成比は36・2%となり、1~3月としては過去最高だった。