昨日29日の日経平均は、NYの下落と急激な円高をうけて322円の大幅下げとなった。日足では雲の下限で押し戻されて下降をはじめ、転換線をわって、基準線の上あたりでとまっているが、MACDは結局ゼロラインにとどかずに下げ始めており、RCIは天井をうって下降局面に入っている。過去のRCIの動きからすると、少なくとも2-3週間は下げ基調にはいってRCIが底に達するまで下げそうだ。
どうも今回の戻りはこのあたりまでのようだ。短期的には三角持合を上にはなれたかにみえたが、中期の週足ベースでは、転換線でおしかえされており、週足MACDも深いマイナス圏、週足ボリンも下げ基調である。昨年10月からの長いトレンドラインを引くと、上値切り下げの大きな三角持合になっていて、その上値抵抗線で下に向かった形になっており、ここからさらに下げると下に離れることになる。結局、日足ベースではいくらかもどしたものの、月足、週足の下げトレンドを転換するにはいたらずに、エネルギーぎれということではないか。
来週NYと為替がもし悪化しても2月12日の12923の二番底を割らずにすむかどうか、心配になってきた。
震源地のNYはさらにひどい。消費者信頼感指数が16年ぶり低水準で、AIGが過去最大の赤字決算ということで、リセッション入りの懸念が現実的になってきており、315ドル安の12266。日足は雲を下に突き破り、転換線、基準線つきぬけた。日足のMACDは、ゼロライン直前で下向きに転換、日足のRCIも急降下、日足ボリンジャーもマイナスσで、下にバンドが広がり始めている。ここらで下げ止まるかどうかだが、注目していた月足では、ついに基準線を割って下降が決定的になりつつある。月足のボリンジャーもマイナス2σまで悪化、月足RCIも急降下しており、長期トレンドも先行きが暗く、これから何ヶ月かは下げそうな気配である。サブプライムやモノラインといった部分的な問題ではなく、アメリカ経済の実体の悪化を本格的に織り込み始めたのではないだろうか。実体経済の下げ止まりをしめす指標がつぎつぎでてこないと、この下方への流れを止めるのは難しいのではないか。来週には、雇用の数字などがでるが、どうも厳しい内容のようなので、それでも12069の二番底を守りきれるかが注目だろう。
これをうけた為替は、怒涛のごとくドル安、円高にむかっている。この間、アメリカ経済の悪化や金利低下を受けても不思議に不気味なまでに為替は落ち着いていたのだが、やはり耐え切れずに、一気に104円から103円まですすんでいる。繰り返し指摘しているように、長期、中期のトレンドは明確に円高だったので、トレンドからは当然の動きではある。月足、週足、日足のボリンジャーも下に広がっており、一段の円高は避けられそうもない。どこまでいくかはわからないー100円われもありうるのではないかと思われるが、月足のRCIは底にあり、週足のRCIも底値にちかいが、日足のRCIが急降下しており、これが底をたたくまでは、数週間は円高に一方的に走りそうだ。
急激な円高、NYの本格下降に日経平均がたえられるか。世界同時株安へと向かうのか、底をたたいて固められるか、来週は、重要な週になりそうだ。