運動習慣があり、チョコレートを定期的に食べる人は、肥満度指数(BMI)が低い傾向があるという論文が26日、米国医師会(American Medical Association)の内科専門誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」に掲載された。
今回の調査結果は、チョコレートは心臓の健康にとって、カロリーや糖分の高さという短所を上回る勝る長所があるという説を補強するものになった。
調査は20~85歳の1000人以上の成人を対象に行われた。対象者は平均で週2回チョコレートを食べ、3.6回運動していた。
このうち、平均より多くのチョコレートを食べていた人は、「体重÷身長の2乗」で算出するBMIが低い傾向があった。
BMIは18.5~24.9が普通とされ、この範囲を下回ると痩せすぎ、上回ると太りすぎだとされる。
研究チームを率いた米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)のベアトリス・ゴロンブ(Beatrice Golomb)氏は「チョコレートを頻繁に食べることとBMIが低くなることの関連性は興味深い」と述べ、研究を進める必要性を訴えた。
また、チョコレートが新陳代謝に与える良い影響を調べるため、無作為化した臨床試験も必要になるだろうとしている。
■チョコの食べすぎには注意
今回の研究では、チョコレートの摂取量がどこまでならメリットがあるのかは明示されていないが、専門家は食べ過ぎに注意するよう呼びかけている。
米ニューヨーク(New York)州ノースショア・ロングアイランド・ジューイッシュ・ヘルスシステム(North Shore-Long Island Jewish Health System)の公衆衛生部門のナンシー・コッパーマン(Nancy Copperman)ディレクターは
「健康になるためにチョコレート・バーを1日1本食べ始める前に、1本200キロカロリーを超える場合もあり、カロリーのほとんどが飽和脂肪酸と糖分だということを思い出してほしい」
と警告している。
今回の研究に参加していない同氏は、
「ダークチョコレートを1オンス(約28グラム)に抑えるか、脂肪分が非常に少ないカカオパウダーを1日1回、食事に加えるかしてみては」
と提案した。
また、研究に参加しなかった米ニューヨーク州レノックス・ヒル病院(Lenox Hill Hospital)の婦人・心臓病部のスザンヌ・スタインバウム(Suzanne Steinbaum)ディレクターは
「心臓の健康を改善するチョコレートの不思議な働きは、運動をしたり食べ過ぎを避けたりするといった生活習慣のなかで発揮されると一般に考えられている」
と語った。
「これまでの多くの研究によってチョコレートの効能は知られていたが、今回の研究結果で、健康な生活習慣の中で食べるチョコレートは、体重増加につながることはなく、むしろそれをコントロールする上で役立つ可能性があることがあらためて示された」
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