中電、50億円の赤字見通し

[arama-さん]

　中国電力は２３日、２０１２年３月期の純損失が５０億円になると発表した。赤字は３年ぶり。島根原子力発電所（松江市）１号機の停止が続く中、火力発電所の燃料費がかさんだ。これまで原発の稼働が見通せないとして利益予想の発表を見送っていた。

　前期の純損益は１７億９２００万円の黒字。今期は石炭火力が定期検査やトラブルで十分に動かせず、割高な重油などの使用が増加。燃料などの費用が約７１０億円かさんだ。原油値上がりも響いた。

　島根原発（松江市）は１号機の稼働がゼロ。２号機は１月に停止した。発電状況を示す設備利用率は１、２号機を合わせ５３％程度。点検不備問題で長期間停止した前期の２０・３％よりは改善した。

　経常損益は１８０億円の黒字を維持するが、法人税の引き下げに伴い繰り延べ税金資産を取り崩すため、純損益は赤字となる。

　売上高は、１兆１７７０億円から過去最高の１兆１８４０億円に上方修正した。販売電力量は前期より減るとみるが、関西電力と九州電力への電力融通が増える。