サーバーを管理しているとされる会社が捜索を受けたことが6日判明した総合掲示板「2ちゃんねる」。その書き込みには、犯罪を促す書き込みがあふれている。警察や有害サイトの通報窓口「インターネット・ホットラインセンター」が要請を繰り返しても消えない書き込みも多く、警視庁は「ネット社会の健全化」のため捜査に踏み切った。
「ハッシュ(樹脂の塊)1g7000円 履歴の残らない郵便にて発送致します」。今月5日、2ちゃんねるにこう書き込まれた。ハッシュは大麻を表す隠語だ。だが、書き込みを削除するかは管理者側の判断で、当局は削除の強制を控えてきた。「表現の自由」を守るために、介入を避けるべきだと考えられてきたからだ。
2ちゃんねる以外の多くの主要ネット掲示板は、犯罪防止のため、当局の削除要請があれば積極的に協力してきたが、2ちゃんねるは放置するケースが目立っていた。「削除要請が無視されれば、犯罪を止める手段はなくなる。2ちゃんねるはネットの健全性を損なっている」。警察関係者はこう話す。
ネット上の犯罪は摘発が強化されてきた。他人のIDやパスワードを無断で使ってネットに接続する行為に対しては、平成12年に不正アクセス禁止法が施行された。昨年7月にはコンピューターウイルス被害に対応するため、ウイルス作成罪も新設された。
掲示板についても書き込む側の犯罪は何度も摘発されてきた。しかし、書き込まれる側の協力がなければ野放しになってしまう。
これまで“アンタッチャブル”だった国内最大級の総合掲示板。甲南大法科大学院の園田寿教授は「表現の自由は保障されるべきだが、犯罪行為や明らかな誹謗(ひぼう)中傷の放置は取り締まるべきだ」と話している。