今週は、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の銀行を対象に低金利で資金供給の第2弾を実施。12月に実施した第1回は欧州市場の緊張を和らげる大きな効果を発揮した。しかし、その効果はいつまで持続するかは見通せない。3月1~2日の欧州連合(EU)首脳会議では、信用不安の防止に向けた支援網の拡充についての結論を先送りするなど、危機感の後退を懸念する声がある。もちろん、ギリシャやポルトガルの債務問題はまだまだ油断できない状況である。また、フランス大統領選の野党・社会党候補オランド氏は、イギリス野党・労働党のエド・ミリバンド党首と会談。2日に調印される欧州連合(EU)新条約の再交渉を公約しており、チェコと共に新条約不参加を決めた英国への訪問は「反新条約」連合作りの動きとして警戒を呼んでいる。フランス世論調査で、オランド氏はサルコジ大統領を抑え、支持率で首位に立っている。
今週は、やはりバーナンキFRB議長の議会証言に尽きる。景気の先行きに対する慎重姿勢は崩さなかったが、このところ好調な米経済指標などを背景に、景気を下支えする為の量的緩和策の第3弾(QE3)を明確に示唆しなかった事で、金相場は暴落。FRBは2010年秋のQE2で、原油価格や商品相場の高騰を招いた事で批判を受けた。デフレ懸念がなく、ガソリン価格も上昇している間は、QE3には動きにくいのが実情である。
来週の前半は様子見気分のレンジ取引で、2月のISM非製造業景況指数やADP全米雇用報告を手掛かりに多少動く可能性があるが、基本的には週末に発表される米雇用統計待ちだ。NY金は、1,700ドルの攻防で、米雇用統計の数字次第では、200日移動平均の1,672ドルまで下げる可能性もある。
方向性 戻り売り
週間取引レンジ 4,395円~4,617円
方向性 戻り売り
週間取引レンジ 4,395円~4,617円
池末
【東京コーン】
今週は23.24日に開催されたアウトルック・フォーラム(農産物展望会議)で、今年度の米国産トウモロコシの作付け面積増加観測と、生産増による需給緩和観測を嫌気して上値を追いにくい取引が続いた。が終わってみれば値を下げることもなくしっかりとした取引でもあった。一方国内市場は外為市場でドル高・円安環境であった影響もあり24500円目前まで上昇してきた。シカゴ市場のトウモロコシは、需給逼迫の旧穀が相場を支える反面、今年度の作付け増が圧迫材料となっている図式である。しかし3月に入ると、農地の土壌水分や作付け時期の天候など、そろそろ天候リスクが気に出され始める。また作付け直前の価格によっては大豆にシフトするケースもありえる。現時点ではさほど心配されてはいないが、天候だけに保障はなく、むしろ常に天候リスクを想定して判断しなければならないのが今後の穀物相場の特徴でもある。また天候リスクは生産のみならず需要面でも考慮しなければならない。
これからの時期は、旧穀は天候プレミアム分を上乗せし取引され、簡単に安売りはしてこない。となれば時間とともにいまの図式は傾きはじめ価格に反映し始めてくるであろう。また先週・今週と10万トン規模で輸入してきている中国の動向しだいでは、尚一層の需給引き締まり感が高まることもありえる。最近のファンド筋の買いは先を見越した動きに思える。買い方針継続。
方向性 押し目買い
週間取引レンジ 23,750円~25,460円
中川
方向性 押し目買い
週間取引レンジ 23,750円~25,460円
中川