【金】
週明け27日のNY金は、小幅安。取引序盤は為替相場が円高・ドル高(対ユーロで)を背景に、売りが先行する展開となったが、その後は、ドイツ下院がギリシャ救済法案を可決した事でユーロが切り返したため、金は買い戻されプラス圏に浮上する場面もあった。しかし、格付け会社スタンダード・アンド・プア-ズ(S&P)が欧州安定化基金(EFSF)債の格付け見通しを選択的デフォルト(債務不履行)に引き下げたため、金相場も再びマイナス圏に転じた。欧州連合(EU)ユーロ圏諸国はギリシャの破綻を回避する為に支援策で合意したにもかかわらず、「デフォルト級」という評価を受ける皮肉な結果となった。

ユーロ圏内には、民間の債権者に損失を強いる事に抵抗もあったが、危機支援の最大拠出国ドイツなどが、投資家の応分の負担を強く主張。公的支援の上積みに理解を得るのは難しい状況となり、破綻と引き換えのデフォルトというぎりぎりの選択肢が急速に現実味を帯びる展開になっていた。

本日の夜間取引も日中取引同様に為替相場の値動きに一喜一憂する展開となる見通し。チャート的には、陰線が2本立ったが、本日の陰線は下ひげの長い陰線の為、夜間取引で戻る局面があるのか?市場では明日29日の欧州中央銀行(ECB)の3年物資金供給オペとバーナンキFRB議長議会証言(QE3?)やイタリア国債償還(元本106億ユーロ・ゼロクーポン債)に注目が集まっている。

方向性         戻り売り
夜間取引レンジ   4,565円~4,631円


 【東京一般大豆
週明け27日のシカゴ大豆は、中国などへの米国産大豆の輸出が好調に今後も続く見通しである事に加え、南米の生産高が下方修正される可能性がある事などを背景に続伸した。昨年9月以来約5ヶ月ぶりの高値を付けた。東京市場は昨日の夜間取引で、為替相場の円高・ドル安を眺めた売りに押され、42,590円まで値位置を切り下げ軟調に推移した。本日の日中取引も夜間取引の地合いを引き継ぎ、軟調に推移すると見られたが、取引開始直後に、43,250円まで上昇し、連日で高値を更新した。その後は、利食い売りなどにより値位置を切り下げる局面もあったが、売り一巡後は押し目を拾う動きが活発化し、再び高値を更新し、連日で年初来高値を更新するとともに、つなぎ足で昨年10月18日以来、約4ヶ月ぶりの水準を回復した。

ブラジルの大豆生産見通しが、干ばつ(ラニーニャ現象による)を受け下方修正が相次いでいる。穀物調査会社アグルラルは、7,020万トンから6,800万トンに、穀物調査会社アグロコンサルタントは、7,100万トンか6,990万トンに下方修正。また、ブラジルの大豆生産高は、前年度に過去最高の7,530万トンを記録したが、ブラジル政府は2月9日、今年度の見通しを、7,175万トンから6,923万トンに引き下げている。為替の円高・ドル安などの外部要因での押し目は買い拾いたい。 

方向性        押し目買い
夜間取引レンジ   42,850円~43,850円

池末


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