円安の神通力の賞味期限はあとどれくらい続くか?

優利加さん
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昨日の米国株は反発した(DJIA +46.02 @12,984.62, NASDAQ +23.81 @2,956.98)。円安傾向の為替レートを材料に本日の日本株全般は続伸する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が871に対して、下落銘柄数は646となった。騰落レシオは137.99%へやや低下した。140%台を続けるには相当な買いエネルギーが必要だ。東証1部の売買代金は1兆4811億円。

TOPIXも日経平均も陽線で続伸した。高値圏での赤三兵となった。円安の神通力の賞味期限はあとどれくらい続くか?

TOPIX +5 @834
日経平均 +52 @9,647

最近は円安を好材料に輸出関連銘柄を主軸に株価が上がっている。株価は上がるからさらに上がると勘違いしている人も少なくないが、この考え方は短期的な動きにしか当てはまらないし(一旦動き始めるとその方向へ際限なく動くことになってしまう)、株価の水準を説明できるものでもない(トヨタ自動車の株が何故3千円前後で推移しており3万円台や300円台にならないのか説明できない。同様にここ数年、日経平均が何故1万円前後で推水しており、10万円台や千円台にならいないのかも説明できない)。

他方、株価決定理論やモデルは多数あるが、その中で一番シンプルなものに定率成長モデルがある。このモデルでは、株価は一株当たり利益の今期や来期のEPS(FCFEの代理変数)の期待値、さらにEPSのその後の期待成長率(g)、株主がその銘柄に期待する配当及びキャピタルゲインを考慮に入れた期待収益率(r)の3つの要素で決定される。為替レートや金利、マネーサプライ、欧州債務危機など森羅万象あらゆることの変動がこの3つの変数の期待値を変動させるため、株価はその変動を先取りして織り込み、上げたり下げたりする。また、株価の変動自体がマクロ経済の動きを加速すること期待させ、それがさらに株価の動きを加速するという経路もある。
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