大同団結や徹底抗戦は愚の骨頂
神戸大学大学院経営学研究科教授・三品和広
質問1 日本の家電メーカーは生き残っていけると思いますか?
yes17%
noyes 83%
NECと富士通を比べてみればよくわかる。
富士通は、スピンアウトしたファナックの株を売りながら、ソリューション事業の会社に生まれ変わった。NECには、苦しい転換期を支えてくれる孝行息子がいない。
本体の転地を模索するに際しては、エコや高齢化というマクロのキーワードに踊らされてはいけない。新聞紙上を飾るテーマは、激戦区になることを運命づけられているからである。むしろ「手持ち技術の新たな出口」を探したほうが、成功に至る確率は高くなる。そこに、過去の成功事例から学ぶ知見が加われば、転地のハードルは決して高くない。
エレクトロニクスには、まだまだ事業機会が豊富にある。まだまだというより、これからが本番と言うべきかもしれない。20世紀はモノで溢れかえる世界を現出させたが、21世紀の歴史家には、これらのモノが滑稽なまでにお馬鹿さんに見えるに違いない。21世紀は、必要にして最小限のモノが限り無くインテリジェント化していく時代になるからである。
その鍵を握るのが、ソフトウェアとビッグデータであることもすでに見えている。そういう時代に競争力を発揮する企業は、おそらく旧来のモノ造り企業とは異なるスタイルをとることになるであろう。我々は、まさにパラダイム変革の時代に突入しているのである。