汚職疑惑、ドイツ大統領が辞任表明

[arama-さん]

　汚職疑惑が取りざたされているドイツのウルフ大統領が１７日、「国民の信頼を失った」として辞任を表明しました。ドイツ検察当局は高級ホテルの宿泊費を肩代わりしてもらった疑いがあるとして、すでに本格的な捜査を始めています。

　「後任に席を譲るために、きょう大統領職を辞任します」（ドイツ クリスチャン・ウルフ大統領）

　ドイツのウルフ大統領は１７日、会見を行い、一連の疑惑をめぐり「国民の信頼を失った」として辞任を表明しました。

　ウルフ大統領は２００７年、ドイツ北部・ニーダーザクセン州の首相時代に、高級ホテルの宿泊費を知人の映画プロデューサーに肩代わりしてもらった疑いが浮上し、ドイツ検察当局は１６日、大統領の不逮捕特権をはく奪するよう連邦議会に求め、本格的な捜査を開始していました。ウルフ大統領をめぐっては、自宅を購入する際、一般より低い金利で融資を受けるなどの疑惑が発覚するなど、辞任圧力が強まっていました。

　メルケル首相は１７日、「決断に敬意を払う」と述べ、野党と協力し次の大統領候補を探すとしていますが、任期途中の辞任はメルケル政権にとっても打撃となりそうです。ウルフ大統領は去年、日本を訪問し、福島県などの被災地も視察するなど親日家として知られていました。（18日00:01）