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ショート戦略構築の注意点
前回、下落トレンドが優勢なときにショートポジションの戦略を使う事の優位性について解説しました。今回はショートポジションの戦略を作るときの注意点について書きたいと思います。
まず、一番重要なのは、ショートポジションを取るためには信用取引が必須になるということです。このため、まずは証券会社で信用取引口座を開設できることが最低の条件になります。
次に気をつけなければならないのは、ダウンサイドリスクの大きさについてです。ロングポジションの現物取引であれば、損失を出したとしても自分の原資産が減るだけで借金を作ってしまう可能性はありません。しかしショートポジショ ンの場合は例えレバレッジを利用せずに原資産の範囲内での取引にとどめていたとしても、追い証が発生したり、借金をしてしまう可能性があります。例えば新興市場の小型株で あれば価格が数倍になる(=レバレッジ無しでも借金が原資産の何倍という金額になる)ということは普通に起こりますので、特にリスク管理についてはロングポジションとは比べものにならないレベルの厳しさが求められます。
ショート戦略のリスク管理手法として使えるのは以下の4点です。
セットアップで相場全体が下落トレンドになっていることを確認してから仕掛ける
エントリーで、仕掛け対象の銘柄が下落に転じたことを確認してから(順張りで)仕掛ける
ストップには単純な損切りだけでなく、トレンド状況の判断も利用する
ポジションサイジングで大きすぎるポジションを建てないようにする
特に重要なのは2と3です。例えば2005年のような、天井のない上昇相場では、そもそもショートポジションを仕掛けること自体が危険です。このため、逆張りでショートポジションを仕掛けることはやめた方が良いでしょう。また、下落が始まった事を確認してから仕掛け、利益が出ていたとしても、トレンド転換の兆候が見られた時点で迷わずポジションを手仕舞いする必要があります。
ショートポジションの取引は確かに大きなリスクが伴いますが、下落時の動きは大きく急であることが多く、短期間で大きな利益につながる可能性の高い取引でもあります。何より、下落相場ではロングの売買プランは役にたず、逆張りの戦略に至ってはストップを厳しく置くことができないために下落への対応が遅れ、いたずらに損失を拡大する結果となります。トレンド状況を見極め、その相場状況に最も適した取引を行うことが成功するトレーダーへの第一歩と言えるでしょう。
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