【書評】『墓のない女』アシア・ジェバール著、持田明子訳

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女たちの独立戦争鮮やかに

 アルジェリアが独立して今年で50年になる。


しかし、植民地時代の傷がすっかり癒えたわけではない。


その一因は130年に及ぶフランス支配の記憶が両者によって共有されていないためだろう。


1830年のアルジェ占領以来長きにわたって苦しんだ民族の正史から漏れた歴史を、小説によって掬(すく)いとること。


これが、北アフリカで最も注目される女性作家アシア・ジェバールが複数の作品を通して行ってきたことだ。

 本作の特徴を一言で言えば、戦争の話なのに、男たちの影がとても薄いことだ。


主人公も語り手たちもすべて女性で、男たちはエキストラ扱い、戦闘シーンもない。


ヒロインは独立戦争で殺され、闇に葬り去られた〈墓のない女〉ズリハ・ウダイ。


古都セザレーの名家に生まれ、フランス風の教育を受け、3人の男と結婚し、2女1男をもうけた彼女は、他の女とは違って公然と自己主張し、レジスタンスに参加するためマキ(密林)に潜伏する。


とはいえ、けっして男勝りの女戦士でも、奔放な情熱の女でもない。彼女の仕事は兵站(ロジスティック)、つまり食糧や薬の調達であり、若い闘士たちの精神的支柱だ。

それでも、ズリハは何度かジャンヌ・ダルクに喩(たと)えられる。


百年戦争の危機からフランスを救ったオルレアンの処女もイギリスから見れば、いかれた娘か魔女でしかなかったように、占領者から見ればズリハもただの高慢な現地女にすぎないのだろう。


作家は、そんな矮小化(わいしょうか)された女性のイメージを伝説に変え、独立の象徴にまで引き上げる。

 物語は声高でもドラマチックでもなく、女同士の親密な会話のように複数の声で展開する。


長女のハニナ、次女のミナ、親戚(しんせき)、隣人らがそれぞれの想(おも)い出を、著者自身の分身ともいえる映像作家に語る。


さらにはズリハ自身(の魂?)も上から語りかけてくる。女たちのアルジェリア独立戦争を、発掘された古代の色彩豊かなモザイク画のように浮かび上がらせる筆力は見事というしかない。


昨春邦訳の出た『愛、ファンタジア』(石川清子訳、みすず書房)との併読をお勧めしたい。






墓のない女
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