ビートたけしが前に実務家と芸術家は対極の位置にいると思うって言ってた事がある。
実務家や経営者は出来るだけ合理的にならなければいけない。
色々な人々の意見に耳を傾け、バランスを取りながら最終的に合理的な判断を取る。
一方芸術家にとって合理性は敵だ。芸術家が合理的になればなるほどその作品はつまらなくなる。
音楽なんかその典型だ。合理的に音楽を作ろうとしたら、絶対にそこからピンクフロイドとかボブディランとか、ビートルズみたいな音楽は生まれないだろう。そのレベルの日本人って言ったら、玉置浩二とか矢沢栄吉、尾崎豊や長渕剛、女性で言ったら美空ひばりとかになるのかな。
芸術家は、「合理性なんかクソくらえ、俺の感性が全てだ!」ってぐらい傲慢にならないとやっていけないだろうね。だから才能がなければタダの勘違いなクソ野郎になる(苦笑)。
多くの人にとって不幸なのは、芸術家が間違って経営者になったり、実務家が芸術家になったりすることだと思う。芸術家が経営者なんかになったら、ほとんどの場合、社員はいつも彼や彼女のきままに振り回されて生きた心地がしないだろうし、最悪会社はつぶれてしまうだろうね。
三流の日本人ビジネスマンがよくスティーブジョブスの事を例に挙げて、チャレンジしろ!とか言うのを見るけど、僕はスティーブの下で働くなんていやだね(汗)。だって自分はビジネスマンとしては人並みだし、彼に認められる自信なんてないもん。あんな天才のもとで彼のレベルを基準に判断されたらそりゃたまらないだろうと思ってしまう。
みんなにとって悪夢なのは、芸術家が政治家になる事かな。カリスマ政治家なんて、独裁者と紙一重だから本当に危ないと思うね。