ロックはラジオ→レコード→テレビ→ビデオ→CD→DVD→インターネットという音楽メディアの変遷に寄り添ってきた。そしてロック自体、未成熟ゆえに悩み多く、世の矛盾に敏感な若者の青い批評精神を伝えるメディアとして機能してきた。本書は、1980年代にテクノユニット「パール兄弟」などで活躍したミュージシャンが欧米・日本のロック史をひもときながら、社会に与えた影響を分析した力作である。
60年代後半に流行したグループサウンズの遺伝子を受け継いだのが、ビジュアル系バンドという指摘が面白い。そしていま、アイドルやアニメソング…日本の個性的な音楽文化こそ、世界を席巻する可能性を秘めている。