新しい年(2012年)の株価見通し

yuhsanさん
yuhsanさん

 
来年の株価見通しが出そろいました。鬼が笑うといってあまり関心を示さない向きもありますが、長期投資をする際には大切な指標になります。いろいろある中で、二つの流れに集約できそうです。


ひとつは、1~3月に8,000円を割り込んだ後、夏場に高値9,000円をつけ、年末に8,500円近辺で終了という弱気派。もうひとつは、今年の安値8,136円年を割り込まずに、以後右肩上がりで上昇して、年末には10,000円を予想する強気派です。さすがに年初が高値で、年末が8,000円を割り込むと見る人は少ないようです。


1~3月は、銀行の資本規制、生保の健全性強化、外国人売りの継続などで需給悪から株価の上値は重く、8,000円を割り込むとしているアナリストもいます。需給関係は、株価に最も影響を与えますが、先高と見れば売り圧力は弱まります。私は日本の富裕層がインフレの足音を聞いて株式を購入し始めるため、需給は中立と見ています。


見方は人さまざまですが、株価の見通しは長期投資の上では基本になります。それだけに、必ず自分なりに考え、方向性を見極めることが大切です。それによって、売り、買い、待ち、を決めないと、安値で買ったつもりが高値だったり、高値で売ったつもりが安値だったりしたときに悔いを残します。


それでは、私の見通しは(私の投資指針に使うためのものです)・・・。


1~4月までは、方向感が出ませんがじり高で、9,000円前後まで戻しますが、その後は政局しだいで、
① 年末までに10,000円を超えるまで上昇するか、
② 8,500円近辺まで下落するか、
を想定します。


1~4月までの相場を動かすのは、アメリカ株の動向と為替相場で、欧州、新興国の経済状況は、折に触れて下落要因になりますが、かなり織り込まれてきました。アメリカ経済はすでに回復期入りし、大統領選挙の年でもあり、株価の上昇に一段と弾みがつきそうです。そうなるとドル/円も、80円を超えるドル高が予想されます。日本経済も、前半までは復興需要に支えられ、大きく下押しすることなく、アメリカ株に引きずられる形で上昇します。


3月決算発表がピークを迎える4月下旬には、例年株価の下落が見られますが、来年はここからが、その後の相場を決めます。それは政局です。


政治が経済に与える影響は絶大です。民主党の政策は競争を排除し、低所得層への富の配分を基本にしています。そのため、デフレの克服と経済成長は後回しにされてしまいます。民主党が政権をとって以来、世界各国の株価が回復してきたにもかかわらず、日本の株価が下落したままというのが何よりの証拠です。


野田内閣になって、TPP、消費税の引き上げと社会保障一体改革、コンクリから人への政策転換など、デフレの克服と経済成長に繋がるものに手をつけ始めました。


政権交代後、始めての「ましな総理」ですが、選挙で言っていたことと相容れないものばかりです。その上、消費税引き上げとセットにしなければならない公務員、議員定数の削減と行政改革を後回しするのでは、身内に甘く本気なのか疑問です。年金問題も公務員共済と合体すれば、需給年齢の引き上げなどしなくても解消できるはずです。改革を進めれば身内から、やらなければ国民からそっぽを向かれ、どちらにしても行き詰まります。


このままでは、増え続けてゆく社会保障費を賄いきれないのは、誰が見ても明白です。税の引き上げが、景気に水を差すといって先送りしていたのでは、借金が増えるばかりで増税の幅が大きくなるだけです。やるなら早くやり、その際にはばら撒きではなく、公共事業を増やせば景気を冷やさずにすみます。先行きが見えないのが、経済にとっても国民生活にとっても一番困ります。


私は、株価見通しに前提条件をつけるのは好きではありませんが、経済に最も影響力のある政治がどちらに動くかが不明では、先行きは読めません。6月ころまでに選挙は行われると見ていますが、選挙で、デフレの克服と経済発展が図れ、政治に信頼性が回復すれば、①のコースとなって、年末までに10,000円を超えるまで上昇するでしょう。一方民主党が4年間の任期満了まで続けるようであれば、②のコースで4月高値からジリ貧となり、8,500円近辺まで下落することになります。


実は同じ見通しを、今年(2011年)の初頭にも立てていました。年初から1~4月までは上昇し、以後は政治しだいというのが今年の見通しでした。1~3月までは、大体この線を行っていましたが、3月の大震災で大きく崩れ、政治が混迷する中、8,500円まで沈んでしまいました。投資は見送りのまま、1年間が過ぎてゆきました。


以上の見通しから私の投資行動は、1~4月までは相場を忘れない程度にとどめます。本格的に買い出動するのは、政権がデフレを克服し、経済成長路線に回帰することを見届けてからとします。


除夜の鐘が聞こえてきます。静かに年が変わります・・・。

 

 


 

5件のコメントがあります
1~5件 / 全5件
(退会済み)

いろいろありがとうございました。

 

ああ、あと1分!

 

よいお年を!

yuhsanさん

球さん

こんばんは

 

私も政治の話は好きではありませんが、株の話では、ここを避けて通れません。 

もっとも予想があたるかどうかは、まったく自信がありません。

 

本当は、下駄を投げて表が出たら上がり、裏だったら下がる、とやりたかったのですが。それでは、知的遊戯を期待しておられる皆さんが納得されないでしょう。

 

見通しをつけるには、それなりの理屈がいります。チャートで片付けるのもひとつの手でしょうが、私はチャーチストではありません。

 

それで、上のような予測とそれに至る道筋となりました。ご笑読ください。

 

後数時間で今年も終わりです。来年のご活躍を願っています。

 

球さん

こんにちは。

 

 来年は、政治の話はしないことに心で決めましたが、

(できるかな^^)

財政危機の意識が、国民にもある程度浸透している中、

マニュフェスト無視とはいえ、増税(高額所得者の税率アップ、消費税)の実施、国会議員削減、国家公務員人件費削減が実現すれば、

引き上げていた外国投資家がNKに戻ってくるような気がしています。

 

 ただ、言われるとおり、そのシナリオがつぶれれば、

後半は、大変なことになる気がします。

 

 取引が増えることを願いたいですね^^

 

yuhsanさん

kobuntaさん

コメントありがとうございました。

 

私の周りの富裕層(私だけは株でやられて貧乏ですが)の考え方も、預金を枕に年越しのようです。

 

この層が動かないと株高は期待できません。

 

どうしたらリスク資産に動くのか、いやインフレになるのか、おっしゃるように、簡単なのですが牛に綱をつける人はいませんね。

 

まあ株が上がる初夢でもみることにしましょうか。

 

よいお年を・・・。

 

kobuntaさん

こんにちは。

 

円に対する米ドル他の反転は、当局の通貨流通政策如何でしょう。

去年の今頃も、評論屋さん達は「年後半から円安」でした。

結局、さらなる円高の進行で終了です★

 

国債暴落・金利上昇・インフレの亡霊から覚めて、お札の輪転機を廻さない限り、

円高デフレから抜け出す道はありません。。。

日本国内から自動車・電機の工場がなくなりかけるまで、

この歴史的亡国政策は続くんでしょうか(ーー;)

ですから、インフレの足音が聞こえて来るには、要時間と考えます。

 

おそらく、みんなの党辺りが政権の中枢に入れば、

「輪転機フル稼働・為替ターゲット設定・未達なら日銀総裁の首換え」

くらいはやって来るだろう・・・って期待です☆

 

良い年をお迎えくださいませm(__)m

yuhsanさんのブログ一覧