2011年も終わろうとしています。いつも思うことですが、来年はいい年であってほしいと。
そう思いながら迎えた今年の相場は、10,352円で始まり、10,892円の高値をつけた後、東日本大震災で3月15日には8,227円まで暴落し、その後は戻しますが11月25日に今年の安値8,136円まで落ち込み、現在は8,400円近辺で推移しています。
年初から20%もの下落をしたことになります。この水準は、日本が世界一になることを夢見た「ジャパン・アズ・ナンバーワン・バブル」の山を越えて、実に30年前の1983年にまで戻ったことになります。この間に蓄えられた富は、どこに行ってしまったのでしょうか。
2008年のリーマンショックによる世界規模での大暴落は、その後新興国の経済回復にも助けられて、日本を除いた多くの国の株価はリーマン以前の水準にまで回復しました。ところが日本では、東日本の大震災と原発事故に遭遇したうえに、ヨーロッパの金融危機に飲み込まれて、超安値の株価水準に沈んだまま一年が終わりました。
長引くデフレと、民主党政権による経済対策の失敗が原因です。民主党の政策は競争を排除し、低所得層への富の配分を基本にしています。競争原理で動く株式市場とは正反対で、株式投資が育たないのは無理もありません。
売買は相変わらず外国人に握られ、国内金融機関、事業法人の売りに買い向かったのは、わずかに日銀だけという有様です。年初来買っていたヘッジファンドも、年後半ではほとんど投げてしまいました。悪いニュースと海外相場にのみ反応し、長期投資が報われない相場でした。
このような投資環境の中、個人投資家は短期売買に集中し、ゲーム感覚で株を売買する傾向がいっそう強まってきました。日本経済新聞も「バブル崩壊から20年、長引くデフレのもと長く持つほど損が膨らむため、個人が取引を短期化するのは自然の流れ」で、個人投資家の9割がデイトレーダーとしています。
本来株式を通じて個人の資産形成を助けなければならない証券会社も、手数料の引き下げ競争から薄利多売に走り、株式のギャンブル化がさらに加速されています。証券会社も日本経済も、短期投資で食っている現状ではどうにもなりません。
さてそんななか、私の個人ファンドはどうだったでしょうか。
所有株の時価評価額は、昨年比24%減。日経平均が19%マイナスですから大幅にやられました。配当金総額は、昨年とほぼ同じでした。金銭の出入り(受取り額から投入額を差し引いたもの)は、配当金分がプラスといったところです。毎年相当額の収入があった信用取引は、今年はポートフォリオの入れ替えに使った程度で、ほとんど利用しませんでした。
持ち株には、東京電力やオリンパスのように大きく落ち込んだものがなかったのですが、小型株に偏っていたため日経平均に勝つことができませんでした。年初の高値を利用してコア銘柄の比重を変えましたが、あまり効果がなかったようです。ファンドマネジャーとしては失格で、大勢の前で頭を下げなければならないところでした。
私の「みんかぶ」日記欄は、今年の3月から毎週1回の割りで投稿し、今回が46回目に当たります。「株で生活するには・・・娘たちに残す投資法」という私の本(いまだ出版されていませんが)の内容を紹介するつもりで始めましたが、投資法よりも人生観についての内容が多くなってしまいました。
どうも長期投資を前提とする株式投資法は、今の人たちにとっては、魅力のないものに映っているようです。それでも株式投資には、日本経済の発展(いまだに信じています)による値上がりが期待できる上に、配当がもらえる魅力があります。短期投資で、その道のプロとパイの奪い合いをするよりも、よっぽどましな気がしますが・・・。
今後とも私の投資法を理解していただけるよう努力するもりです。皆様もよいお年を。