インターネットを介して企業や公的機関のシステムが不正侵入されるサイバー攻撃が増えている。「スマートフォン(高機能携帯)」や、ネットワーク上のソフトやデータを利用する「クラウド」の普及で需要が高まる中、株式市場でも情報セキュリティー関連銘柄に注目が集まっている。
ソニーのシステムがハッカーに攻撃され、約1億件の個人情報が流出した問題や、三菱重工業のサーバーがウイルスに感染した問題は大きな話題となった。衆議院などのサーバーが不正に侵入され、議員のIDが流出した件も記憶に新しい。
こうしたサイバー攻撃は、高度な技術を持った複数のハッカーが関与しているケースが多く、国境を越えて仕掛けてくることもあるため、完全に防御することは難しいのが実情だ。
民間調査会社のIDCジャパンによると、2010年の国内情報セキュリティー関連ソフトの市場は前年比12%増となり、09年(同8%減)から大きく回復した。15年には10年比で14%増の2329億円にまで成長すると見込まれている。
特に有望なのが普及の著しいスマートフォン向けだ。スマホでは、アプリと呼ばれるソフトで機能を拡充できるが、ウイルスを仕込んだアプリをダウンロードしてしまい、感染してしまうケースも多い。
「スマホは24時間ネットに接続されているため、ウイルスなどの被害に遭いやすい。個人情報や決済情報が悪用される恐れもある」(ネットセキュリティー会社)
また、手元のパソコンにデータやソフトを置かず、ネットワークを通じて利用する「クラウド」と呼ばれるサービスも普及しつつある。情報を集約するサーバーのセキュリティーの重要性も高まっており、セキュリティー企業に情報を保管してもらおうとする企業も増えるなど、当面は好環境が続きそうだ。
【情報セキュリティー関連銘柄】
・★UBIC…コンピュータを使った不正行為の調査などを行うサービスが主力
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