北朝鮮のキム・ジョンイル総書記が死去したことについて、各国メディアはトップ項目で伝えています。
イギリスのBBC放送は「世界の指導者の中で最も謎に包まれていた」とした上で、核兵器開発について触れ、「彼の死は北朝鮮の国民だけでなく、世界の不安定要因となりうる」と分析しています。
フランスの新聞「ル・モンド」の電子版は、“「非合理的」かつ「予測不可能」な指導者の肖像”と題したキム総書記の一代記を掲載しています。
また、フランスの「フィガロ」紙電子版は三男のジョンウン氏について、日本では「星の王子さま」と訳されるサン・テグジュペリの作品にひっかけて、「赤い“小さな王子”が権力を継ぐ」との記事を載せました。
記事では、「ジョンウン氏の経験の浅さと若さは儒教的価値観が強い北朝鮮ではハンデであり、キム総書記の妹の夫、チャン・ソンテク氏によるジョンウン氏のバックアップがカギとなろう」という専門家の見方を伝えています。
ロシアの国営テレビは昼前のニュースでキム総書記の死去について、今年8月、ロシアを特別列車で訪問した際の映像などを交えて報じました。また、後継者はキム・ジョンウン氏と紹介。日本と韓国は情報収集などの対応に追われているとも伝えました。
「ベルリンの北朝鮮大使館前です。午前9時ですが、人の出入りはほとんどなく静かです。旗は「半旗」となっています」(記者、ベルリン19日)
ドイツ・ベルリンにある北朝鮮大使館は静まりかえっていますが、時折、花を携えて訪れる人の姿も見られました。ドイツで最も権威のある雑誌「シュピーゲル」の電子版は、
キム総書記の後継者であるジョンウン氏について触れ、「一番若い息子が偉大なる後継者になる」として、そのリーダーシップに期待しながらも「核で世界を脅す」恐れもあるとしています。
オーストラリアでも各テレビ局が夕方、キム総書記死去のニュースをトップ項目で伝えました。また、ラッド外相は緊急記者会見を開き、関係諸国が冷静に対応することが大切だと述べました。
(19日22:12)