米農務省が今夏導入した栄養ガイドライン「マイ・プレート(MyPlate)」に沿った食生活を送っている米国人が、わずか2%にすぎないことが、13日に発表された米調査会社大手NPDグループ(NPD Group)の調査で分かった。
「マイ・プレートは今年6月、米農務省とミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人が、肥満対策の一環として米国で1992年に発表された栄養ガイドライン「食品ピラミッド」の改良版として発表したもの。1枚の皿を栄養素ごとに4つに色分けし、1回の食事で摂取できる栄養量がひと目でわかるデザインになっている。野菜と果物が皿の半分、穀物とタンパク質が、それぞれ残りの半分のスペースを占めている。ほかに、皿の脇には乳製品のスペースが添えられている。
米国人の食生活傾向調査「ナショナル・イーティング・トレンズ(National Eating Trends)」を30年間実施してきたNDPグループは、この統計をもとに乳製品、果物、穀物、タンパク質、野菜の全品目で、1日あたりのガイドライン推奨量の70%以上を摂取した「マイ・プレート達成日」があった人数を算出した。その結果、ほぼ「マイ・プレート」に準じた食生活を送っていた米国人は全体のわずか2%だった。これはを日数に換算すると、ガイドラインに則した食事をしていた日数は1年のうち7日間だけという計算になる。
さらに、栄養ガイドラインを達成した日は、1日の食事が4回を超えている人が多いことも分かった。
■小皿や大きなフォークも効果的
「マイ・プレート」の図表は栄養ガイドラインの理解には有益だが、それ以外にも食器類で食事量を制限する方法を勧める専門家もいる。
たとえば、夕食用の皿は、この20年間で25.4センチ(10インチ)から30.5センチ(12インチ)へと大型化しており、これが食事量を増やす結果につながっている。この発見から、米国では毎月1回、10インチの皿で食事をとる運動「小皿運動(Small Plate Movement)」が誕生した。
ある研究では、10インチ皿での食事は22%のカロリー減につながり、平均的な成人が800キロカロリーの夕食をとった場合、1年間におよそ8キログラム減量できるという。また、米学術誌「消費研究(Journal of Consumer Research)」に掲載された別の研究では、大きなフォークで食事をすると食事量が減る傾向にあるとの結果が出ている。
米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and Prevention、CDC)の統計によると2009年、米国人の27%が医学的に肥満に分類されていた。また、米政府は肥満人口を15%以下に抑える目標を定めているが、これまでに、この目標を達成した州はないという。
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