【書評】『「東北」再生』赤坂憲雄、小熊英二、山内明美著

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暗闇で足元照らす明かり

 今年の5月1日のことだった。東京都国立市の一橋大学で「3・11を越えて」というタイトルの鼎談(ていだん)が行われた。東日本大震災から約50日が過ぎていた。被災地を歩きはじめて、自らがあまりにも無知で無力であることに打ちのめされていた私は、会場で聞いた言葉の数々に、ほんの少しだけ勇気をもらった。

 「これからどう進めばいいのか」という問いかけに、たぶん正解はない。満点の解答は永遠に得られない。だけど考え続けることは、きっと無意味ではない。集まった3人が交わし合う言葉は、暗闇で足元を照らしてくれる小さな明かりのような気がした。

 その鼎談を活字化したのが本書だ。改めて読むと、時の流れが意識される。どんな文書における「現在」も、読む側には「過去」だけれど、とくに震災後、言葉や思想は厳しい選別に直面した。さまざまな言説が一瞬で無力化された。もちろん一方には、重みを増していく視点というものもあったけれど、語り手は大いに迷ったはずだ。

 赤坂憲雄さんも《これほど言葉が激しく風化にさらされる日々を、すくなくともわたし自身は体験したことがない》と吐露する。そういう自覚のもとに、ぶつけ合われた言葉たち。いくつかは、もう旧聞に属するかもしれない。でも、現在進行形で書きとめられた思考の痕跡をたどるのは、貴重な体験だろう。

先月、福島県浪江町から避難している男性と出会い、「ちょうどいまごろ、近所の川をサケがのぼってくる」という話を聞いた。浅瀬にサケがひしめく様子を身ぶり手ぶりで教えてくれた。それは旬の話題であるはずが、現実には、手の届かない「過去」の話になってしまっていた。彼は、二度と見られない景色であることを覚悟していた。

 いやおうなく思い出したのが、鼎談で語られた小熊さんの言葉だ。

 《日本の歴史上、初めて国内で「難民」というものが発生したのです》

 あのときは少し大げさに感じた「難民」という言葉。いまはとてもリアルだし、日ごとに重みを増している。







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