ユリウスさんのブログ

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塩野語録満載の「ローマ人の物語」 -文庫本完結

 塩野七生さんの長い長い「ローマ人の物語」が終わった。というよりか、正確には歴史巨編の文庫本(1巻~43巻)が完結したと言うべきか。翔年は平成15年から文庫本が出るたびに購入して読み継いできた。文庫本は3冊ぐらいずつ間歇的に発刊されたので、長編とはいえ、読むほうにとってはとても楽で、次の発刊が待ち遠しく思えることもしばしばでした。

「ローマ人の物語」文庫本全43巻 -タイトルを見ているだけでローマ史が蘇る


 次の巻の刊行を待っている間に、折にふれて塩野語録をこのBlogでも取りあげてきました。それは「ローマ人の物語」が塩野さん独特の歴史観によって書かれている魅力とともに、現在を見つめている目、特に我が日本を見る塩野さんの慧眼が感じられたからです。
 例えば41巻「ローマ世界の終焉」では
「亡国の悲劇とは、人材の欠乏から来るのではなく、人材を活用するメカニズムが機能しなくなるがゆえに起こる悲劇、ということである。」
と書いてある。 
→ バカな民主党の間違った政治主導が脳裏に浮かんできますね。

 また43巻にはユスティアヌスの甥で皇帝を継いだユスティヌス二世は帝国の滅亡直前の財政を自らの言葉でこのように言明している。
「『わたしの前で開けられた国庫には、多くの借金の証書以外には何もなかった。帝国の財政の現状は、絶望的とするしかない。軍資金が欠ければ軍事力を欠くことになり、このままでは蛮族に蹂躙されるしかなくなる。』
 これが、最大に領土を拡張し、最高の権勢を誇り、最も反映したと言われるユスティニアヌス時代の、東ローマ帝国ないしビザンチン帝国の姿であった。」
→ 自民党時代から始まって、民主党に政権交代してからますます酷くなっている放漫財政の現状に想いが至らない人っているのでしょうか。
これは古代ローマを語りながら、日本国へ警鐘をならしている塩野さんからのメッセージそのものでしょう。

 次のエントリーでは、イタリアにお住まいの塩野さんが「文藝春秋」誌のコラムで、直接我々に提言されていること等について書きたいと思っています。
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