その企業っていうのがですね、とあるビルの15階にオフィスを構えている企業でして、面接時間10分前にそのビルに到着した僕は普通にエレベータを待っていたんですよ。 そしたら偶然にも僕が今から面接に行く企業の人と一緒にエレベーターに乗ることになりました。
僕としては、その企業が15階のフロアーの何処にあるのかが判らなかったので「こいつはラッキーだね!」ってな感じで、15階でエレベーターを降りた後、その人がどこのオフィスに入るのかを確認してからトイレに行って身だしなみを整えました。
で、トイレを出て先ほど一緒にエレベーターを降りた人が入っていった扉の前に行き、ノックと同時に扉を開けようとしたのですが、何故か開かない・・・。 よく見るとオートロックの部屋になってまして、カードキーが無いと開かないシステムになってます。
ま、僕が以前勤めていた会社でも従業員用の入り口や、権限のない部署同士の行き来が出来ないようにオートロックになっているのは当たり前だったので、なんの迷いもなく綺麗な受付嬢がにこやかに微笑んでいる来客用の入り口を探しました。
そんな感じでフロアーをウロウロしていて気付いたんですが、この15階のフロアーのオフィス全部が僕が今から面接に行こうとしている企業のオフィスなんですよ!
しかも全ての扉がオートロックになっていて、笑顔で微笑んでいる美人受付嬢なんか一つも見当たらないどころかこれだけフロアーをウロウロしているのに、その企業の誰ともすれ違うこともないのですよ。
「どんだけオートロック好きなんだ!この企業は。」と悠長につっ込んでいるヒマはありません。なんたって面接の時間は刻一刻と迫っているのです。 どこでもいいから扉を開けて突撃するしかないのです。
ここはひとつ運を天に任せて、一箇所だけオートロックじゃない扉を見つけていたので、そこに突入する決心をしました。
扉をノックしても「どうぞ」の声がないので、「失礼します」の言葉と同時に扉を開けると、30人くらいのスーツを着た人達が会議みたいなのをしている真っ最中で、その30人が一斉に僕の方を鬼気迫る目で睨んでいるのですよ。 もうね、ビックリしてしまって泣きそうな声で「失礼しました」って言って速攻で扉閉めましたよ。 っていうかあの時ちょっと泣いてんじゃないかな。僕は・・・。
しかし、なんで唯一オートロックじゃない部屋で重要会議なんかするかな! コンプライアンスとか大丈夫か?この企業。
ま、その会議が重要会議だったのかどうかはそれとして、そんな来客イジメのトラップにはまりながらもインターフォンでなんとか受付と連絡を取ることができ、やっとの思いで面接官と接触することに成功しました。
で、面接官に会った後も、応接室に一人きりにされるという、先にイスに座っててもいいのかどうか分からないトラップを仕掛けられたり、面接中に美人受付嬢が持ってきたコーヒーを飲んでいいのかどうかトラップがあったりと、なにかと罠の多い企業でした。
ま、前者は面接官が来るまで普通に窓際で15階からの眺めを堪能していたので、その態度が正解かどうかは分かりませんが一応クリアー。
後者のコーヒーの件は無難に手を付けませんでした。僕はそんなチンケなハニートラップに引っ掛かるような甘ちゃんじゃないのですよ。 ま、状況が面接中でなければ美人受付嬢に「北川景子に似てるって言われない?」くらいのリップサービスはしていたと思いますが。w
そんなこんなで志望動機や自己PRみたいな要求は一つもなく、1時間のほぼ全てを企業説明だけという、面接とは名ばかりの面接が終わり、いそいそと帰ってきました。
果たしてこんな面接でちゃんと人選できるんだろうか・・・。
ま、第一希望の企業じゃないからいいんですけどね!ww