【話題の本】『独裁者の教養』安田峰俊著

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■現代大陸浪人の熱い自己物語

 中国・ミャンマー国境部。アヘン生産地として知られる密林の奥には、ゲリラ上がりの独裁者が支配する国際社会未承認の小さな軍閥国家「ワ州」がある。本書は1982年生まれの“中国ネットウォッチャー”が、この秘境に潜入した貴重なルポルタージュだ。

 だが、その構成は一風変わっている。本の主軸をなすワ州のルポ部分は全体の約3分の1で、分量的に中心となるのはヒトラー、毛沢東といった“古典”からリー・クアンユー(シンガポール最高権力者)、カダフィら現代の人物まで、世界の独裁者8人が30歳前後までの時期に何を学び、どう人格形成したかを描いた評伝なのだ。

 発行元の講談社子会社、星海社によると、先月25日に初版1万部でスタート。インターネット書店を中心に売れ行き好調だという。

 ワ州に密航した動機を、独裁社会を自分自身で体験してみたかったからと語る著者は、中国のネット掲示板を日本の匿名掲示板風に翻訳する人気ブログ「大陸浪人のススメ」の管理人だ。

 ブログを基に昨年刊行された処女作『中国人の本音』(講談社)は好評を得たが、一部同業者からは「ろくに取材もせずにネットの書き込みをパクっただけで本が書ける、中国ネットウォッチャー様(笑)って羨(うらや)ましいよね」(本書原文ママ)と揶揄(やゆ)され、ライターとしての現状に限界も感じた。大学院で中国近現代史を学んだ歴史学徒として、本当に得意な分野で物を書きたい欲求もあり、独裁者の歴史をテーマに選んだという。

 現代日本とまったくかけ離れた存在に見える独裁社会に沈潜することで、普段は疑問にも思わなかった日本社会の「独裁体制」も見えてくるとして、終章には意外なオチが用意されている。“狭い日本にゃ住み飽きた”現代の大陸浪人の、熱い自己物語でもある。








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