欧州の不良債権処理は、資本規制強化につながり、この先、当分、金融機関の株売りと融資圧縮を世界的に起こす。
金融機関が、増資で資本規制に対処してくれるほうが経済全体にはベターだが、そうなるか否かは不明である。
しかし、仮にそうならないとしても、問題は小さい。
今は、日本のバブル崩壊時と異なり、(日本以外)金融緩和が十分である。
金融緩和で実質金利(実質期待利回り)が低下するので、世界的に金回りは悪くならない。
世界経済の緩慢な回復は継続する。
で、経済の回復、特に新興国の景気回復と、金融緩和での金余りは、資源価格を上昇させる。
資源価格と景気(株価)のシーソー相場が再度起きる。
欧州問題が持続している間は、このシーソーの平均レンジは下がる。
欧州問題が終息すれば、シーソーのレンジは上方シフトするが、シーソー相場は終わらない。
過剰通貨安固定政策という中国問題が残るからである。
過剰通貨安固定=巨大金融緩和の中国によって引き起こされる、国内経済の空洞化圧力=デフレ圧力を回避するため、先進国の巨大金融緩和=世界的金余りは続く。 続けざるを得ない。
シーソー相場も継続し、継続しつつ、漸次上方シフトし、次なるバブル崩壊に至ることになる。
ボラテイリテイが比較的大きい、あまり効率的とは言えない状態で世界経済の成長は続く。
また、金余りの資金は、早晩、低金利持続政策=過剰通貨高政策を取る日本(日本国債)をターゲットにし出すでしょう。
それが今後の景気変動の何波目に起きるかは不明です。
しかし、過剰通貨高(デフレ)=経済空洞化(経常黒字縮小、家計資産伸び悩み)=財政不安増大なのに、低金利=国債価格高、という矛盾は、絶好の投機対象としてマークされ続けることになる。
この矛盾を巻き戻してあげるのは投機家の使命でもある。
日本問題(=過剰通貨高政策という矛盾)が急激に終息する確率は、以前より着実に高まっています。
一方、過剰通貨安固定という中国問題は、中国の軍拡で、以前にも増して解決が困難になるでしょう。
これにより、プラスサムゲームの経済競争主導の世界(中長期均しでは、良いインフレの世界)から、マイナスサムゲームの軍事競争主導の世界(デフレもしくは軍拡バブルもしくは紛争スタグフレーションの世界)へのパラダイムシフトが起きやすくなる。
中国の過剰通貨安固定政策=先進国の空洞化=先進国内の格差拡大=先進国の左傾化・右傾化=民主主義と自由経済の退潮、、となることも軍事競争へのパラダイムシフトを促進する一大要因。 自由経済の退潮は、経済を低迷させ、左傾化・右傾化傾向を補強するし、民主主義の退潮は軍事紛争確率を高めるゆえ。
また、軍拡、経済活況(バブリーであれ)で中国共産党政権の持続性が高まることもパラダイムシフトを促進する一大要因です。
、、、、以上、現時点までの事実からの中長期定性分析でした。
当面は欧州政治家の逆噴射(リスク低下中)と、日本の地殻変動が突発的な下方リスク要因ですね。
これに対し、日本の民主党政権の逆噴射的経済政策=デフレ円高政策はリスクフリーに近いほど強固。
日本国債、円が避難先になるわけです。
円高が進みやすいのも当然なのです。