昨日の米国株は反発した(DJIA +112.85, NASDAQ +3.50)。しかし、本日の日本株全般は冴えなかった。東証1部では、上昇銘柄数が635に対して、下落銘柄数は843となり、下落銘柄数の方が多かった。騰落レシオは92.91%。本日はSQだったが、SQにしては出来高が異常に少なかった。
米国株高にもかかわらず、TOPIXも日経平均も前日比ほぼ変わらず、短陰線で終えた。昨日現在の日経平均ベースの予想EPSは560円まで下げてきた。株式リスクプレミアムを5%、長期国債の利回りを1%、今後の中長期的名目GDP成長率を0%(これでも楽観的かも)と見積もると、定率成長モデルで計算した日経平均株価のフェアバリューはは9,333円となる。10月31日高値@9,152円はほぼこの値に達したが、9,333円が今の日本経済の実力を反映した日経平均株価と見ることができる。逆に言うとこれ以上高くなったら過大評価と見られ、自律反発もこの水準で止まる可能性が高くなってきた。
TOPIX -1 @729
日経平均 +14円 @8,514円
日本はTPPに参加すべきかどうかで国会を中心に意見が大きく対立している。国を閉ざして繁栄できるはずがないので、将来の日本の発展を考えれば参加すべきであるが、多くの人間は目先の損得で行動する。農業保護と国民皆保険制度が破壊されるというのが反対派の大きな理由である。一理ある。しかし、問題は保護に保護を重ねてきた結果が、現在の日本の農業の生産性の低さである。だから、国際競争力がない。保護され続ける限り、自助努力をしようというインセンティブは小さいままだ。WTOは関係国が多過ぎて問題を解決できないので、少数の国の間で話を進めようという発想が有力になってきたと思う。その一つの形態がTPPだろう。世界経済の構造が変化し、それに合わせてパラダイムシフトが起こっている。数十年前と同じ発想で行動していたら、日本は世界からも他のアジア諸国からも取り残されるだろう。