昨日の米国株は大幅反落した(DJIA -389.24, NASDAQ -105.84)。イタリア国債がさらに売り込まれ、10年物国債の利回りが危険水準とされる7%を超えたことで欧州債務危機がまだ収束には向かっていないことが明らかとなった。ギリシャだけなら現在までに合意された包括パッケージで何とかなるだろうが、経済規模がはるかに巨大なイタリアまでこけたら、完全に救済資金が不足する。まず欧州を中心とした銀行が巨大な含み損を抱え資本不足となり、それが信用収縮の津波となって世界中を襲い大混乱になる。その恐怖が昨日の米国株の大幅下落に現れている。
日本の大手銀行は典型的な例だが、金利の期間構造が順イールドが続くと言うことを前提として、相対的に金利が高い長期国債に巨額の投資を続けている一方で(貸借対照表の左側)、その資金源は極めて低い庶民からの預金であり、それでも足りない分はマネーマーケットから短期資金をロールオーバーしながら賄っている(貸借対照表の右側)。銀行間の相互与信枠が縮小すれば、直ぐに資金ショートを起こす。ALMの観点から見ると実に危ない綱渡りのようだ。
本日の日本株全般も下げた。東証1部では、上昇銘柄数が147に対して、下落銘柄数は1,446となった。騰落レシオは88.15%。
TOPIXも日経平均も下放れて始まり、陰線で終えた。売り圧力が相当強いことを示している。海外要因で振り回される相場はまだまだ続く。
TOPIX -19 @730
日経平均 -255円 @8,500円