昨日の米国株は大幅下落した(DJIA -276.10, NASDAQ -52.74)。欧州債務不安が再燃して欧州株及び債券が下落した。EUがギリシャ支援の体制を整えつつあるが、肝心のギリシャ国民に支援の条件としての緊縮財政を受け入れる覚悟がないのではないかと市場は疑っているようだ。殆どの人間は快楽は歓迎するが、忍耐は嫌がるものだ。
リーマンブラザーズを潰したのは完全に当時のアメリカ政府の致命的な判断ミス、「小銭を惜しんで大金を失う」だったが、その結果として世界中の金融機関の信用収縮を招き、世界各国の需要を瞬間蒸発させ、ケインズの有効需要の理論通りに消えた需要を各国政府が財政出動して補おうとした。税収だけでは資金が大幅に不足するので国債増発により賄った。その結果が各国政府の債務残高の急増だった。ギリシャやイタリア政府の債務問題もこの流れだ。根が深いだけに救済制度を整えるだけでは根本的には解決出来ないだろう。
これを受けて、本日の日本株全般も続落した。東証1部では、上昇銘柄数が429に対して、下落銘柄数は1,095となった。騰落レシオは103.38%。またディー・エヌ・エーとグリーが大きな出来高で目立った動きをした。但し、前者はストップ安の大幅下落、後者はプラスを維持し、方向は反対だったが。
TOPIXも日経平均も続落し、上向きの10日移動平均線に接するところまで下げた。2日連続で窓を空けて下がってきた。もし、明日、窓を空けて続落すれば「三空叩き込み」となるが、さてどうなるか?
TOPIX -10 @754
日経平均 -153円 @8,835円