nijさんのブログ

最新一覧へ

« 前へ591件目 / 全757件次へ »
ブログ

買収三社は幽霊会社?オリンパス事件


http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_335034?mod=WSJFeatures【東京】過去の不透明な企業買収問題に揺れるオリンパスは2006年、焦点となっている国内の企業3社に投資し始めた際、3社は売上高がなく、ほとんど事業履歴もない会社であったことが、商業登記や信用調査報告で明らかになった。Reuters  登記によれば、3社のうちの2社、つまり医療用廃棄物処理会社「アルティス」と、調理容器メーカーの「ニューズシェフ」は、1990年代初めにいずれも異なった社名で創設されている。ウォール・ストリート・ジャーナルが閲覧した信用調査会社のアナリスト報告によれば、2社は設立後、長年にわたり事業活動を一切行っていなかった。その後、新たな社名で新しい事業を開始、そしてオリンパスが一部株式取得の初期投資を開始したことが判明した。  もう一つの会社は化粧品・健康食品販売の「ヒューマラボ」で、オリンパスが出資する1年足らず前に、同様に異なる社名で設立された。オリンパスは最終的に3社を買収した。  こうした3社の過去の経緯は、オリンパスによる3社買収をめぐる疑問をさらに深めるものだ。オリンパスは08年4月に終了した一連の投資を通じて、これら3社買収に734億2000万円を支払った。その1年後、オリンパスは投資金額の4分の3相当を減損処理した。 合併・買収(M&A)が専門の慶応義塾大学大学院の井上光太郎准教授は、これらの会社はオリンパスが最初に投資した際、事業履歴がなかったようであることを指摘、投資対象として事業計画以外に何もない企業にこれだけの金額を支払うのは本当に考えられないと述べた。オリンパスに最も好意的にこれを解釈しても、不可解だと強調した。  オリンパスもこれら3社各社も、3社の過去の財務情報も開示していない。3社の収益と歴史的な経緯は、本紙が閲覧した会社登記の記載、独立委員会による調査報告、そして帝国データバンクと東京商工リサーチによる信用調査報告から拾い集めたものだ。  オリンパスは、帝国データバンクと東京商工リサーチが提供した売上高と利益の数字、あるいはオリンパスの監査役会が09年に委託した独立委員会の報告の数字についても、コメントしていない。オリンパスは、買収した3社が休眠状態の期間があったかどうか確認できないと述べた。3社の幹部はいずれもコメントしていない。  オリンパスは27日、3社買収に支払った金額は正当で、非合法的なものは一切ないと主張し、「世界的な金融危機の中で、保守的に減損処理を行った」と説明している。  アルティスは野菜や植物を人工栽培する会社として1993年4月に創設された。信用調査報告では、同社はアルティスと改名した05年10月までの数年間、目立った事業を一切していなかった。  ニューズシェフは1991年、金融コンサルタント会社としてこれも異なる社名で設立された。会社登記によれば、同社は2003年、調理機器メーカーとしてニューズに社名変更し再出発した。信用調査報告では、同社はそのときまで一定期間(期間は不詳)、休眠状態にあり、07年に社名を再び変えて「ニューズシェフ」とした。 ヒューマラボはオリンパスが投資する9カ月前に設立され、一度社名を変更したがスキンクリームや栄養サプリメントのメーカーとして事業を維持した。 独立委員会の報告によれば、オリンパスは、アルティス株を数回に分けて買い足しているが、06年3月には、同社の事業投資ファンドを通じてアルティス株38.0%を44億円で取得した。また同報告によると、この投資会社はニューズシェフの株38.9%を17億8000万円で、ヒューマラボの株32.5%を46億円で購入した。  オリンパスによる初期投資当時、3社とも売上高は全くなかった、と信用調査報告は述べている。 オリンパス主導のこの投資ファンド(2人のマイノリティーパートナーを含む)は2000年に設立され、07年9月に解散した。  08年3月までに、オリンパスは何度にも分けてアルティス、ニューズシェフ、ヒューマラボ3社の株式を買い増し支配株を取得した。アルティスは07年に年間売上高約100万ドル(現在の換算レートで約7800万円)を計上したが、事業は赤字だった、とオリンパスの委託でコンサルティング会社ドリーム・インキュベーター社が作成した内部評価報告は述べている。独立委員会の報告では、オリンパスはこのとき初期投資をした06年に支払った1株当たり当たりの金額より88%高い金額を支払った。ドリーム・インキュベーターのスポークスマンは、オリンパスの委託を受けて報告書を作成したかどうかコメントしていない。  ニューズシェフもオリンパスが支配株を取得した08年は赤字だった。売上高は300万ドル弱だった。信用調査報告と09年の独立委員会報告によれば、オリンパスは当時、同社主導の投資会社が当初投資で支払った1株当たりの金額の2倍を投資して支配株を取得した。 同様に、オリンパスはヒューマラボについても1株当たり41%多く支払っている。07年12月に終わった会計年度の同社売上高は100万ドル未満だった。独立委員会報告で、オリンパスは、取得株価が上昇したのは、同社が支配株を取得するためのプレミアム分であり、正当だったと主張している。  調査報告では、これまで3社はいずれも、利益を計上していない。記者: Daisuke Wakabayashi and Juro Osawa  
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。