考えるきっかけになれば、と中南米債務危機の発生と解決を調べてみた
中南米債務危機の発生過程を概略すると
1.危機発生過程
(1)借り手:中南米諸国
外国からの資金を基に、国家の発展を計画
(2)貸し手:米系金融機関
当時開発されたCP(コマーシャルペーパー)により、企業が自力で資金調達するようになった
貸出先の確保に困った各金融機関は「国はつぶれない」として中南米諸国に融資した
2.危機のきっかけ
・フォークランド紛争をきっかけに、中南米各国の債務返済能力に疑問がもたれるようになった
3.解決
(1)FRBの動き
貸し手の各金融機関に、融資残高の維持およびさらなる融資の呼びかけ【追い貸しの実施】
中南米諸国への貸し出しを不良債権とみなさないよう、規則を変更
各金融機関の経営者責任は不問
「不良債権」としての処理を禁止
(2)国際機関の協力
IMF・世界銀行が中南米各国の経済運営を支援
十数年の時間はかかったが、米系金融機関は融資を不良債権処理することなく、
中南米諸国はデフォルトに陥ることなく、危機を解決した
当時のFRB議長ポール・ボルカーによるところが大きいが、なかなか参考になる
ヨーロッパのソブリン債危機と比較して感じるのが、リーダーシップ
FRBが絶対的中心の役割を果たし、不良債権とみなさないと原則を曲げてまで対応した。個々の金融機関が正しい選択を行っても、全体としては不利益が生じる『合成の誤謬』を見事に防いでいる
全体の問題解決が最大多数の幸福であり、そのためには詳細のルールは適宜変更する、実利主義的手法が表れている
結果成功したから称賛されるのであって、失敗していれば被害を拡大させた無能な策ではあるが、言い方を変えれば解決するまで我慢したからこそ成功した
現在の危機を解決するうえで、学ぶべき点が多いと思う
自分は時価会計を厳格に適用し損失処理を進めるべき、デフォルト確率は取り込めないが、危機を抑えるには早めの処理が必要、と考えていたが、中南米危機の推移をみると、他の解決策があると思う
どこかで考えをまとめたら日記に書くか・・・
【タイトルが不適切ではあるが、そのままにしておこう】
1件のコメントがあります
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こんばんは。
これは当時のリーダーと今では雲泥の差。
比較にならない結果です。
メルケルは特にひどい。