【書評】『ベルリン 地下都市の歴史』

AAI Fundさん
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ドイツの首都にして、欧州屈指の世界都市ベルリン。その地下には、ナチスや社会主義時代の遺物が現在もそのままの形で眠っている。

 19世紀後半以降、新興大国プロイセンの首都として急発展したベルリンは、地下空間も同様に広がっていった。特に空襲への備えに力を入れたナチス時代、未曽有の大拡大を遂げる。しかし第二次世界大戦での破壊や東西分割などで大量の資料が失われ、その全体像はいまなお未知の部分が多いのだという。

 民衆を守るナチス親衛隊を描いたプロパガンダ壁画が残る地下壕(ごう)、冷戦時代の核シェルター…。近現代史の怪しい魅力に満ちた空間を、豊富なカラー写真をまじえて紹介する貴重な一冊。
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