ここまでは売られ過ぎからの自律反発

優利加さん
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昨日の米国株は大幅続伸した(DJIA +339.51%, NASDAQ +87.96)。EU首脳会議で、ギリシャ国債に対する債権の50%は民間部門に放棄させ(主に欧州の民間銀行に負担させるということ)、欧州金融安定基金EFSFの規模を倍以上の1兆円に拡大することが合意された。これで欧州債務危機問題が解決へ向けて大きく前進したとの観測から世界各国の株式市場は反発した。

日本株もこの流れに乗って続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が933(昨日は1,283)に対して、下落銘柄数は602(昨日は291)となった。騰落レシオは98.82%(昨日は95.24%)。強い支援材料が出たにも拘わらず、昨日と比べると上昇銘柄数がかなり減少した。銀行にとっては、欧州債務危機の収束は信用収縮による金融システムの崩壊の防止を意味するので、銀行株を含む金融株全般には大きな支援材料となるはずであったが、銀行株もその他金融も高寄りした後、失速し陰線で終える銘柄が多かった。

TOPIXも日経平均も上放れて始まったが、TOPIXは上下にひげを引いた短陰線で終わり、日経平均はほぼ寄引同時のトンボとなった。つまり、上値が重いということだ。9月1日の戻り高値寸前まで来て面合わせとなった形だ。ここまでは売られ過ぎからの自律反発と見ることができるが、これから上は数年先までの企業の収益力を市場がどう見ているか期待次第で決まる。

TOPIX +9 @771
日経平均 +124円 @9,050円

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