私の持ち株の評価額はこの1週間で3%増えましたが、儲かったのでしょうか。気分的には明るくなりましたが、来週下がったらまた暗くなります。株は決済しなければ損得は分かりません。それならば、「株は売らずに配当を貰い続ける」のがベストでは・・・、そう考えても不思議ではありません。
私の株式投資は、「国内株式を長期に持つ」ことです。長期に持つといっても同じ株を一生持つことではありません。利確した資金は再投資して、最適なポートフォリオの構築に当てます。
投資対象とその方法は多様化しています。それでも外国為替、商品、貴金属、不動産などは、現金化することなしに収入がえられないのでやるつもりはありません。一つのものをやりだすと、ほかのものに目が行かない性格によるものでしょうが、結局「国内株式を長期に持つ」投資法を30年余り続けているわけです。
バブル崩壊以降の株価の年高値は、90年代は20,000円を超えていますが、01年からは20,000円を超えたことはありません。さらに11年以降は、10,000円が壁になる可能性すらありそうです。22年の長い間、デフレが原因の右肩下がりの相場が続いています。このような状況での長期投資には、元本が減少する危険が常に付いていますが、保有する銘柄次第では、企業価値の向上と高利回りの配当が手に入ります。
短期間の売買では、株価の上下に関係なく利益がえられるかもしれませんが、ギャンブル性が高く常にプロとの競争にさらされています。一番安全で手間の掛からない方法は、お金をタンスにしまいこんでおくことでしょうが、リスクもない代わりに億万長者になる夢もありません。
いったいデフレはいつまで続くのでしょうか。デフレ脱却の努力が続いて20年経過しています。簡単に終わるものとは考えられません。為替が1ドル90円を超えトレンドとして円安が定着すれば、デフレが終わったと判断できそうですが。
デフレがインフレに変われば、買った株が下がらなくなります。そうなれば、銀行預金に滞留していたお金がリスク資産に向かいます。また「銀行よさようなら・・・証券よ今日は!」の時代が来るかもしれません。
それまでは、右肩下がりの相場での長期投資ということになります。
私の株式投資の目標は「億万長者になって配当金で生活する」ことです。そのためには、5,000万円以上の株資産を持ち、年間配当が百万円以上あることが最低の目標になります。いい株を相場の流れに乗って長期に持ち株数を増やしてゆけば、デフレ下であっても達成は可能です。
それには時間が必要です。私は株で生活するには少なくとも20年、場合によっては一生をかける仕事だと思っています。もし一生をかけるとすると、つぎのようなステップになります。
第1期(40歳までに1,000万円を貯める)
第2期(60歳までに5,000万円に増やす)
第3期(配当金で生活を楽しむ)
億万長者への道は第2期で決まります。人生でもっとも脂の乗り切った時期で、収入もリスク許容度もこの期間が最も高くなります。定年が間近になってからではリスクは取れません。
20年間で5倍、私の投資法も、この時期に合わせてあります。20年間に4~5回ある大きな流れを読み、これに乗らないと無理です。上昇期には信用取引を使ってレバレッジを掛け、配当利回りが低下した株は売却しますが、売却金も利益もすべて好業績の高利回り株に再投資して、配当金で生活できるポートフォリオを目指します。
問題はこの間にある下げ相場のときです。理論的には持ち株は売却しキャッシュを増やせばいいのでしょうが、下げ相場が分かるのは相場の終わり近くです。高値で売却など考えないで辛抱し、大底付近で次の相場を睨んで銘柄を入れ替えるようにします。
一相場5年として、上昇期に3倍、下降期にその半分になることを想定すると、1.5の4乗倍で1,000万円が5,000万円になる計算です。リスクマネーは他の資金と完全に分離すること、投資資金は株で運用しキャッシュは持たないこと、一相場終了後にポートフォリオの見直しをすること、を原則とします。
銘柄選定とポートフォリオの組み方を間違えなければ、原資は減ることがあっても配当金は減りません。相場は必ず反転します。銘柄を分散し信用取引を押さえておけば、たとえ東電のようなケースが起きても、リスクマネーがゼロになることはありません。
デフレ下では、上昇期が短く下降期が長くなり、億万長者への道は先に伸びるかもしれません。たとえ伸びたとしても目標をしっかり定めて、少しでもそれに近づける努力をすることです。
以上が私の長期投資法の概略です。皆さんのご活躍を祈ります。
「チョット待ってよ!・・・表題〈長期投資が儲からないのか〉の答えは、出ていないじゃないか。どうなってんだ」と、突然天からの声。
「だから儲けるのは、一生掛かるっていってるじゃありませんか。まだ当分先に・・・」
「なにいっていんだい・・・早くしろよ」
「・・・」