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格付け大手が欧州銀の一部を相次ぎ格下げ







 10月7日、主要格付け会社が一部欧州銀を相次ぎ格下げ。ムーディーズは、ポルトガルの銀行9行の格付けを引き下げた。写真はニューヨークで8月撮影(2011年 ロイター/Mike Segar)

 [リスボン/ロンドン 7日 ロイター] 主要格付け会社は7日、債務危機の影響に苦しむ一部欧州銀を相次ぎ格下げした。銀行セクター支援に向け、当局の抜本的な対応を迫る圧力が高まっている。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ポルトガルの銀行9行を格下げした。ポルトガル国債保有のリスクと、7月のソブリン債格下げを反映したとしている。

 ムーディーズはまた、英銀ロイズおよびロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の格付けを引き下げた。将来危機に陥った場合、政府から受けられる支援は従来に比べ縮小する公算が大きいとしている。

 一方、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、フランス・ベルギー系の金融サービスグループ、デクシアの主要銀行の格付けを1段階引き下げた。ホールセール市場での資金調達難と担保を積み増す必要性を理由に挙げた。

 またフィッチ・レーティングスは、デクシアの傘下銀を「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」に指定した。

 メルケル独首相とサルコジ仏大統領は9日、首脳会談を行う。域内銀行に対する資本増強の方法をめぐって両国の対立が伝えられており、今回の銀行格下げを受け、首脳会談の行方に関心が高まっている。

 ムーディーズはポルトガル銀の格下げについて、同国の成長見通しの弱さや緊縮財政により、保有する国内資産が一段と劣化する見通しであることに加え、ホールセール市場での資金調達難により流動性がひっ迫していることを理由に挙げた。

 ムーディーズは7月に、ポルトガルの信用格付けを「Ba2」に4段階引き下げている。

 単体格付けや債務・預金格付けの引き下げ対象となったのは、政府系カイシャ・ゲラル・デ・デポジトス、銀行大手のミレニアムBCP、バンコ・エスピリト・サント、バンコBPI、バンコ・サンタンデール・トッタ、カイシャ・エコノミカ・モンテピオ・ゲラルの6行。

 上場しているミレニアムBCPについては、単体格付けを2段階引き下げ「B1」とした。ホールセール市場に資金調達を依存している点や、傘下部門を通じたギリシャへのエクスポージャーをめぐる懸念などを理由としている。

 ミレニアム株価はおよそ4%急落してこの日の取引を終えた。

 ムーディーズはRBSの格付けを「Aa3」から「A2」に2段階引き下げた。また、ロイズTSBバンクの格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げた。

 さらに、サンタンデールUKなど小規模金融機関の格付けも引き下げた。

 これに対し、オズボーン英財務相は、国内各行の資本・流動性は十分であり、格下げは政府の支援スキームの終了を単に反映したものと主張した。

 財務相はBBCラジオとのインタビューで「国内各行は十分に資本を積み上げており、流動資金も豊富だ。ユーロ圏の問題行が直面している危機を被ることはない」と自信を示した。 

 欧州銀は2008年の金融危機以降、資本増強を進めてきた。それでも今回の債務危機をめぐって、再び域内銀行の資本増強の必要性が焦点に浮上している。

 ロイターのデータによると、英銀は過去3年間に政府指導の下、1200億ドル以上の資本増強を実施した。同期間に独銀はおよそ400億ドル、イタリア銀は290億ドル、仏銀は220億ドルの資本をそれぞれ積み増している。

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