史上最年少で２年連続王者となったフェテル。「今日は勝つことに集中していたんだ。終盤、追い上げて勝利が見えてきたところで終わってしまったからね」と、笑みを浮かべながらも、表情はどこか晴れない。
ここまで９勝を挙げてシーズンを席巻。今回、入賞すれば王座が手に入る状態でも、「いつも通り勝利を目指す」と話していた。昨季は最終戦を制して逆転で王座を獲得し、レース直後に感涙にむせんだが「去年はあれで（シーズンが）終わりだったけど、今年はまだ続く。（王座を決めて）肩の荷は降りたけどね」
優勝、ポールポジション、王座獲得－と最年少記録を塗り替えてきた。ネット上ではフェテルの名をかたるツイッターやフェースブックのアカウントが数え切れないほど作られているという。
注目されプレッシャーを受ける続ける日々。そんな２４歳の表情が変わったのは、母国の先輩ミヒャエル・シューマッハーがレース後のクールダウン周回で祝福してくれたと話したときだ。「想像すらできないよ。僕が子供のころ、彼はもう世界王者だったんだから」。無邪気な子供に戻っていた。
