【書評】『俾弥呼』古田武彦著

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「論争に終止符」の総決算の書

  
 「俾弥呼(ひみか)」ほど謎とロマンにみちた歴史的人物はいない。それ故、実証抜きで、あれこれ恣意(しい)的にイメージされることが多かった。

 しかし本書によって、初めて真実の光が当てられ、「邪馬壹(やまたい)国」の在り処(か)(博多湾岸とその周辺)とともに、俾弥呼の実像が余すところなく明らかにされた。

 その意味で、『俾弥呼』は古田史学総決算の書であるとともに、「邪馬台国論争」に終止符を打ったともいえる。

 40年前に上梓(じょうし)され、学界に衝撃を与えた古田氏の『「邪馬台国」はなかった』以来の読者として、書かれるべくして書かれた本として感慨一入(ひとしお)である。

 だが、もうひとつの「謎」は深まるばかりだ。なぜ、学界はずっと沈黙を守るのか。なぜ真摯(しんし)に古田理論に応えようとしないのか理解しがたいが、その解答は、意外にも読者からの次のような「声」に求められよう。すなわち、「十分な知識をもって平易な文で説得力も申し分ない。感服した。これでは学会も沈黙・黙殺せざるをえないのではないか」と。

 このように評価される「古田史学」をはずした、今までの「邪馬台国論争」は私には論争とは名ばかりの、今年国民から指弾された「八百長相撲」を想起させる。

 本書は「ミネルヴァ日本評伝選」の一冊として刊行されたが、古田史学の入門書としては別に「古田武彦・古代史コレクション」の(1)(2)(3)を先に読まれることをお勧めする。




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