繊維を織らずに絡み合わせたシート状の不織布(ふしょくふ)に美容液を染みこませたシートマスクは、肌の乾燥や日焼けなどが気になる女性たちに人気のスキンケアアイテムだ。保湿・美白・エイジングケアなど目的別に商品を展開するブランドが多く、価格も1枚当たり100円程度から数千円まで幅広い。肌のコンディションに合わせて選んだり、デイリーケア用とスペシャルケア用で使い分けたりして“美容の処方箋”を作ってみては-。(豊田真由美)
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ラインアップが豊富
ウテナ(東京都世田谷区)の主力ブランド「プレサ」のシートマスクは、5枚入り商品が7種類(各735円)、28枚入り商品が4種類(各1260円)とラインアップが豊富。特に、昨年秋に発売した「プレサシートマスクローズエキス」は、口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」が表彰する「2010年@cosmeベストコスメ大賞」のシートマスク部門で1位を獲得した人気だ。
【ウテナ】プレサシートマスクローズエキス+ヒアルロン酸15ml×5枚入
価格:588円(税込、送料別)
ウテナは「シートマスクには、肌の悩みに合わせて選ぶ側面と、気分や香りに合わせてさまざまな種類を楽しむ2つの側面があります」と説明する。「夏には美白効果のある『プレサシートマスクビタミンC』がよく売れ、『同ローズエキス』は香りや気分で楽しめる商品といえます」
薬用美白、プレサシートマスクVC(ビタミンC)5回分
価格:588円(税込、送料別)
5枚入りは10~15分間、28枚入りは3分間、それぞれ顔に張り付けて使う。同社は、5枚入りのシートを入浴時に湯船で温めて使ったり、28枚入りのシートを洗顔後、化粧水の代わりに使ったりするなどの裏技も紹介している。
ワンコインで手軽に
ラブラボ(港区)のブランド「新美肌一族」のシートマスク(4種類、各1枚入り・450円)は、少女漫画風のイラストがプリントされた大きなパッケージがひときわ目立つ。複数枚をセットで売り出すブランドが大多数の中、1枚ずつ売ることにこだわっているのは「ワンコインで買える手軽さと、肌のコンディションに合わせて選べる楽しさ・利便性」(同社)を重視しているためだ。
パッケージに描かれているのは、平成17年秋に携帯小説として連載が始まった「美肌一族」の登場人物だ。主人公の美肌紗羅(びはだ・さら)をパッケージに印刷したシートマスクをサイト内限定で発売したところ、1日で6万4千枚を完売。翌年には一般発売を開始した。現在では「中学生から60代まで」(同社)幅広い年齢層に使われているという。
あの美肌一族がリニューアル!日本初!日本最大!日本最大量!新美肌一族 美肌紗羅シートマスク
価格:450円(税込、送料別)
調査会社の富士経済(中央区)によると、20年以降のシートマスクの市場規模は320億円前後で、毎年ほぼ横ばいに推移。「カウンセリングブランドではスペシャルケアとして、セルフブランドではデイリーケアに近い位置づけで訴求されている」という。
一方、クリーム・ジェル状で使用後に洗い流す「ウオッシュオフパック」や、乾燥させた後にはがしたり擦り落としたりする「ピールオフパック」は微減が続いており、市場規模はいずれもシートマスクの3分の1程度となっている。