60億キロの旅から“奇跡の帰還”を果たし、世界で初めて地球の引力圏外から岩石標本を持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」をめぐる物語の映画化が相次いでいる。これまでに4本が製作され、幾多の困難を乗り越えて偉業を達成した人々のドラマは、東日本大震災後の日本で特別な感動を呼び起こすようだ。(岡本耕治)
異なる視点魅力
5月に公開された「はやぶさ BACK TO THE EARTH」(角川映画、上坂浩光監督)は、プラネタリウム用CGアニメを劇場公開向けに作り直したドキュメンタリー。篠田三郎(62)のナレーションで、宇宙を旅するはやぶさのロマンと計画が語られた。
今後公開される3本は、視点がそれぞれ異なる。10月1日公開の20世紀フォックス映画「はやぶさ HAYABUSA」(堤幸彦監督)は、竹内結子(31)が演じる女性広報員、恵の視点で物語が語られる。来年2月11日公開の東映「はやぶさ 遥かなる帰還」(瀧本智行監督)は、渡辺謙(51)演じるプロジェクトマネジャー、山口駿一郎を軸に、科学者と技術者の思いをつなぐドラマ。3月10日公開の松竹「おかえり、はやぶさ」(本木克英監督)は、藤原竜也(29)演じるエンジニア助手と父との関係に軸が置かれた3D作品だ。
4作品とも、科学的な正確さを心がけ、はやぶさ計画に対する敬意が感じられる点は共通している。
「日本力」の象徴
7年間の旅の果てに、はやぶさはイトカワの標本を地球に届け、自身は大気圏で燃え尽きる。各映画でもクライマックスとなるシーンだ。
「はやぶさ HAYABUSA」で主演した竹内は「燃えていくはやぶさの姿は、見ていて涙が止まらなかった」と話す。
これまであまり顧みられなかった日本の宇宙開発に、関心が集まったのはなぜか。「多くの人たちの手で困難が克服され、ひとつの奇跡が起こった。ここまで人の心を動かす出来事って、なかったんじゃないかな」と竹内。「はやぶさ、がんばれって応援していたのに、いつの間にか私が励まされていた。何かを始めようとしている人に寄り添うような作品になったと思う」とも話す。
はやぶさの昨年6月の帰還後、日本では東日本大震災が発生。各作品の企画は震災前にスタートしていたが、「はやぶさ HAYABUSA」の井上潔プロデューサーは「はやぶさの存在は日本の底力の象徴。大震災以降、沈滞ムードの日本に勇気を与えてくれるのでは」と期待を語った。
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【用語解説】はやぶさプロジェクト
宇宙科学研究所(現・JAXA)による小惑星「イトカワ」の標本採取を目的とした計画。平成15年に小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられ、17年にイトカワに着陸。燃料漏れや通信途絶、エンジン故障などに見舞われたが、22年6月に地球に帰還。回収されたカプセルからはイトカワの一部が発見された。
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