ポイント
先週金曜日にダウ平均株価が大幅に下落したことを受けて、今日の日経平均株価も厳しいスタートになりそうです。8,495円の近辺での寄り付きを想定しています。ザラバで一段の大きな下げはないと見ているのですが、上値の重い軟調な推移は避けられないと考えています。
米国マーケットを振り返る
9月9日のダウ平均株価は303.68ドル、2.69%の大幅安で終えています。
11時から12時過ぎにかけて急速に下げ幅を拡大したのが目を引きました。ギリシャをめぐって、欧州の債務問題に不透明感が強まったことが大きく影響したと見られます。ECB(欧州中央銀行)のシュタルク専務理事が辞任するという話が拡がったことがショックになったようです。ドイツ(DAX)市場が4.04%下げていますが、3時過ぎ(ドイツ現地時間)の急落が目立ちます。
VIX指数は12.24%の急上昇となりましたが、11時から12時にかけてマーケット心理が大きく悪化した様子が示唆されています。
今日の日経平均株価は?
CMEの日経先物価格(円ベース)8,495円の近辺を、月曜日の日経平均株価の寄り付きのメドとしています。厳しい下げでのスタートとなりそうなのですが、日経先物の夜間取引はこの展開をかなり織り込んでいるように見えます。
ドル円5分足を見ると、多少円高方向に振れてスタートしています。
ただ、ドル円60分足で見れば、円高への振れは比較的に僅かであることがわかります。為替の株式市場への影響は限定的であると現時点では考えています。
今日は、7月の第3次産業活動指数、8月の企業物価指数、7-9月の法人企業景気予測調査、そして8月4-5日の日銀金融政策決定会合の議事要旨の発表などが予定されています。決算は9社ほど。
ちょっと一言
ところで、極めて個人的な見方ですが、ダウ平均株価と景気指標を重ね合わせてみると、株価の下落は量的金融政策QE2により、経済の実態に比較して異常に膨らんだ部分が調整しているものと考えています。景気指標は全製造業の在庫循環モメンタムです。
この図から見る限り、ダウ平均株価には一段の下げ余地が残されていると見られます。そのためQE3の導入をめぐる今後の動きから目を離せないようです。
日米の株価乖離にドル円の動きを重ねると、両者が再び連動性を取り戻しています。
最近の動きを拡大すると、以下の通りです。ダウ平均株価の先週金曜日の下げに対して、今日の日経平均株価の予想される寄り付き価格、つまりCMEの日経先物価格(円ベース)はそれをほとんど織り込んだ状態であることを示唆しています。
したがって、ザラバでの一段の大幅な下げは想定していません。
もし、今日のGLOBEXで米株先物が反発を見せれば、日経平均株価が堅調に転じることもあり得ると考えています。
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